セキュリティ関連製品メーカーのフォーティネットジャパンが、UTM(統合脅威管理)で中堅・中小企業(SMB)市場のユーザーを確保するため、クラウドサービスの提供を開始した。「FAMS」と呼ばれるアクセスログの管理や分析が可能なサービスをSaaS方式で提供。ディストリビュータを1次代理店としてリセラー経由でサービスを広めていく。
代理店経由で「FAMS」を広める
フォーティネットが提供を開始した「FAMS」は、「SMBはログ管理関連のアプライアンス導入に躊躇している。製品価格や運用コストが高いためだ。これを払拭しなければならない」(新免泰幸社長)という理由でサービス化されたもの。特徴は、ソフトバンクBBをディストリビュータに据えてリセラー経由で拡販する点にある。ソフトバンクBBのブランドで提供することも売りだ。ユーザー企業がリセラーと契約を結ぶと、フォーティネットのDC(データセンター)からサービスを提供する仕組みになっている。クラウドサービスの販売網を整えることが目的というわけだ。
「ソフトバンクBBとは今回のような販売契約を結んだが、このビジネスモデルだけを構築しようとは考えていない。例えば、SIerとはソリューションで提供する仕組みもつくっていく。柔軟に対応していきたい」考えを示している。 現在、同社のトップを務める新免氏は大規模向けビジネス部門セールスディレクターから今年10月14日付で内部昇格した人物だ。NECやアライドテレシス、日本アバイア、ノキアジャパンなどで業務に従事した経験があり、業界で20年近くのキャリアをもつ。

今年10月14日付で代表取締役に昇格した新免泰幸氏
その新免社長が打ち出した戦略は、「当社にとって、成長が期待されるハイエンド・セキュリティ製品に力を入れる」ということ。ただ、「当社の主力市場は、あくまでSMB。この市場でシェアを継続していくための布石を打つ」としている。他社にユーザー企業を奪われないように、課金方式でリーズナブルなクラウドサービス「FAMS」の提供開始に踏み切ったのだ。
「FAMS」がSMBユーザーを他社に奪われないための“付け焼き刃”的なサービスだとすれば、広まるかどうかは疑問だが、「これまでと同様、クラウドサービスも販売パートナー経由で提供していくことが望ましい」と、販売網の形成を貫く姿勢を取っていることから需要を掘り起こせる可能性を秘めている。このビジネスモデルが成功すれば、クラウド・コンピューティング時代の商流を確立させることに一歩近づくことになる。(佐相彰彦)