トレンドマイクロ(エバ・チェンCEO)は、4月1日からSIerやデータセンターサービスが得意なパートナーなどを対象に、招待制のパートナープログラム「認定ソリューションパートナープログラム」を展開する。IT環境が複雑化するなか、「ソリューション」として顧客の要望を汲み取った製品・サービスをパートナーとともに提供していくことで「エコシステム」を構築。国内での戦略商材の拡販を目指す。
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| 「認定ソリューションパートナープログラム」のロゴ |
トレンドマイクロは、クラウド環境、仮想化環境、物理環境が混在するような複雑化するIT利用におけるユーザーのニーズに合致したソリューションを戦略商材として力を入れる。
強化するのは企業内ネットワークの監視・可視化ソリューション「Trend Micro Threat Management Solution」、情報漏えい対策ソリューション「Trend Micro DLP」など、クラウド環境、物理環境、仮想環境に対して単一的なセキュリティを提供するソリューション「Trend Micro Deep Security」の三つ。戦略商材の販売を強化するために、パートナーの開拓や密接な連携によって「エコシステム」を構築する。今年度(2010年12月期)の売上高構成比の18%を戦略商材とする成長戦略を打ち出した。
戦略商材をより売りやすくするためにトレンドマイクロが4月1日にスタートしたのが「認定ソリューションパートナープログラム」という招待制の支援施策だ。戦略商材のなかでもDeep Security、DLPは顧客のインフラにかかわるソリューションであることから、大三川彰彦取締役 日本地域担当 アジア・ラテンアメリカ地域営業推進担当 兼 グローバルマーケティング統括本部 統括本部長は「われわれでは提供できない顧客のシステムの設計、導入、構築を提供していただくうえで、技術体制を優先してパートナーを選定する」という考えを示した。
トレンドマイクロからの打診と、申し込み窓口から参加を希望するパートナーを個別に認定し、営業面、導入面、運用面をトータルで支援する。トレンドマイクロからは案件ごとに専任SEをアサインし、製品評価から運用サポート共同検証を行う。また戦略製品の技術・技能の育成を支援する。「Early Adaptor Program For TPS for Partner」という、有償のパートナー向けプレミアムサポートプログラムを提供。技術サポート支援のほか、スターターパックを用意した。
パートナー加入要件としては検証環境とシステムインテグレーション体制の整備などが条件として含まれている。従来のパートナープログラムと併せての加入も可能で、トレンドマイクロでは今年度までに30社のパートナーに加入を打診するとしている。
トレンドマイクロは、これまでにもエンタープライズソリューションを積極的に提供してきた。従来のトレンドマイクロは、SIerからみると「アンチウイルスソフトベンダー」としてライセンス再販により、量を売るというイメージが強かったという。SIerなどとの強力な連携により、大企業のミッションクリティカルなシステムに対し、SIビジネス・サービスをともに展開していくことで「ソリューションベンダー」としての位置づけを強める。(鍋島蓉子)