JBCCホールディングス(JBCC-HD、山田隆司社長)は、中国の地場SIerとの連携強化を加速させる。拠点を置いている大連と上海で地場の有力SIerとの協業を深めるとともに、この第2四半期(7~9月)にも開設する広州地区でも同様のビジネスモデルの展開を視野に入れる。ビジネスパートナーと組むことで、主に中国地場のユーザー企業のIT投資を獲得していく方針だ。
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| JBCN上海小祝薫総経理 |
中国ビジネスの拡大を急ぐJBCC-HDグループ。大連では地元SIerの大連百易軟件との連携を深め、今年2月に立ち上げた上海の現地法人では、南京の有力SIerである聯迪恒星(南京)信息系統との協業を本格化させた。地場の有力SIerとの協業によってビジネスを迅速に立ち上げる戦略を重視する。
その背景には、中国地場のユーザー企業の開拓がある。中国に進出している日系企業はJBCC-HDグループ独自の営業網でカバーできるものの、地場系ユーザー企業への迅速な営業展開には、人的リソースやSI開発パワーが不足している。この点で、ビジネスパートナーの協力が不可欠と判断した。JBCC-HDグループは、大連と上海、近く開設する広州の拠点で計20人ほどの人員を展開する。だが、「ソリューションに精通した人材育成には一定の時間がかかる」(現地法人JBCN上海の小祝薫総経理)と、地場の有力SIerと組むことで、地場ユーザーの開拓に弾みをつける。
JBCC-HDグループは、日本IBMのトップソリューションプロバイダであり、営業ノウハウが豊富で、IBM系の商材や、製造業向けERPや帳票関連、運用監視サービスなど同社が独自に開発した商材多数揃える。中国でのビジネスパートナーは、こうしたJBCC-HDグループがもつノウハウや商材を通じて、中国地場のユーザー企業に対する提案力を高められるメリットがある。
上海や南京など、華東地区でのビジネスパートナーとなった聯迪恒星の沈栄明総経理は、「IBM仕込みのソリューションや監視サービス、ERPなどの分野での協業が有力」と、ノウハウ吸収に意欲を示す。一方で、聯迪恒星が開発したグループウェアなどの商材をJBCC-HDグループを通じて「日本や中国の日系顧客への拡販を期待している」(沈総経理)と、ギブアンドテイクの関係構築を進める方針だ。今後、拠点開設を予定している広州や北京(または天津)でも、地場有力SIerとの関係を強化することで、ビジネス立ち上げのスピードアップを図る。(安藤章司)

聯迪恒星沈栄明総経理