国内大手ディストリビュータの一角を占める丸紅インフォテックが、生き残りをかけて、米SYNNEXグループの傘下に入った。2010年12月1日付で、新生シネックスインフォテックが始動。米SYNNEXグループがもつグローバル規模のネットワークを活用して、「さらなる飛躍を目指す」(シネックスインフォテックの坂元祥浩・執行役員管理部門長補佐 兼 経営企画部長)考えだ。
丸紅は、2010年12月1日付で、同社が所有する丸紅インフォテックの全株式を米SYNNEXグループに譲渡した。これにより、丸紅インフォテックはシネックスインフォテックに社名を変更。社長には、米SYNNEXの創業者で前会長兼CEOのロバート・ファン氏が就任し、天野貞夫社長は会長職に就いた。
米SYNNEXは1980年に米国で創業し、売り上げの90%以上を占める北米を中心に中国や英国、メキシコ、フィリピンなどで事業を展開するビジネスプロセスサービス大手。ディストリビューションとコントラクトアセンブリサービス、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)を提供している。100以上のOEMサプライヤーから1万5000以上の製品を調達し、各地の1万5000以上の販売店に卸している。
シネックスインフォは、米SYNNEXの傘下に入ることで、「利益の出る体質」(坂元・執行役員)の構築を目指す。旧・丸紅インフォはこれまで、リストラなどによるコスト圧縮策などを実施して“筋肉質”にはなってきたが、「それだけでは不足していた。製品の価格破壊が進み、これまでのように物販ビジネスを伸長させるのは容易ではないと判断した」と、坂元・執行役員は今回の傘下入りの経緯を説明する。新会社でリストラは実施せず、現在のままの事業体制を維持する模様だ。
今後打っていく施策として、坂元・執行役員は「米SYNNEXが20年以上かけて構築してきた心臓部分である基幹システム『カスタマーインフォメーションシステム(CIS)』の活用」を挙げる。すでに、「2011年1月か2月に入れ替える」計画で、米本社からそのための人員を呼び寄せている。
シナジーでビジネスの伸長を期待できるのが、旧・丸紅インフォが強みとしてきた外資系メーカーの製品の流通だ。米SYNNEXはグローバル規模でメーカーと取引しており、最大の仕入先はヒューレット・パッカード(HP)。HP製品の売上高は30%を超えている。シネックスインフォは、米SYNNEXが培ってきた販売手法などを取り入れることができる。
「素直に質問してほしい」。ファン氏は社員にこう呼びかけている。九州大学工学部を卒業し日本語に堪能。社員とのコミュニケーションに問題はなさそうだ。坂元・執行役員は「ファン氏が単身乗り込んで経営の舵を取る。丸紅の頃と違い、決断のスピードは速くなる」と話す。
ソフトバンクBBやダイワボウ情報システムにはないグローバル規模の強力なネットワークを手に入れたシネックスインフォ。国内のIT流通に与える影響は少なくないだろう。同社の今後の動向を注視したい。(信澤健太)

12月1日付で企業ロゴが一新された