その他
「新しいKDDIをつくる」の意図は?
2010/12/22 21:07
週刊BCN 2010年12月20日vol.1363掲載
2010年12月1日付でトップが変わったKDDI。新社長の田中孝司氏は、法人向けクラウド関連ビジネスの責任者を務めたほか、グループ会社でWiMAX運営事業者のUQコミュニケーションズ社長として指揮を執った経験がある。その同じ12月1日、KDDIは都内で記者会見を開いた。田中社長はこれまで新規事業を中心に手腕を発揮していただけに、「KDDIは今後、どのような方向に進むのか」「田中社長は、どのようなコメントを発するのか」などを楽しみに参加した。
時代や他社に追いつけるのか
しかし、記者会見全体を通じて感じたのは、「歯切れが悪い」ということだった。田中氏には、過去に何度か単独でインタビューしたことがある。田中氏が登壇する会見にも参加した。その時の印象は、「歯に衣着せぬ発言をする人」だった。常に具体的な方向性をコメントしていたと記憶している。しかも熱意があった。“熱い”説明は今回の会見でも変わっていなかったが、方向性の大きなテーマは「新しいKDDIをつくる」。細かい部分では、スマートフォンについて「“ワクワク”する製品を市場に投入していく」など、漠然とした表現が多かった。
お披露目的な要素の会見だったからかもしれない。ただ、気になったのは漠然とした表現でしか説明できない理由を匂わせるコメントがあったことだ。「当社は時代に乗り遅れている」。例えば、スマートフォンだ。ようやく今年12月に「IS03」を投入した。「立ち上がりは順調」ではあるが、NTTドコモやソフトバンクモバイルに遅れをとったことは否めない。スマートフォン関係ではもう一つ、「挽回には時間がかかるかもしれない」との発言も。果たして今後、他社を凌駕するような製品を市場に投入できるのか。
このような状況になった理由として、田中社長の言葉に気になる部分があった。「時代に乗り遅れたのは、社内にチャレンジ精神が薄れつつあったため」というのがそれだ。社内改革につながる組織再編などを断行するとの考えから、「新しいKDDIをつくる」という表現を使ったとも受け取れる。
KDDIは、第二電電として設立、これまでNTTの対抗馬として競争してきた。00年には、DDIとKDD、IDOの合弁会社として「KDDI」として生まれ変わり、今年で10年を迎えた。「今後も競争心を持ち続ける」と田中氏は断言するが、そのためには改革が必要ということだ。そうでなければ、NTTグループとの競争だけでなく、もう一つの勢力であるソフトバンクグループにも対抗できそうもない。「社員一人ひとりの能力は高い」と田中社長はアピールする。「振り返れば、3Gなどを他社より先に手がけてきた」。社員の士気が高まれば、時代や他社に追いつくことができる。そのために、どのような策を講じるのか。お手並み拝見だ。(佐相彰彦)
2010年12月1日付でトップが変わったKDDI。新社長の田中孝司氏は、法人向けクラウド関連ビジネスの責任者を務めたほか、グループ会社でWiMAX運営事業者のUQコミュニケーションズ社長として指揮を執った経験がある。その同じ12月1日、KDDIは都内で記者会見を開いた。田中社長はこれまで新規事業を中心に手腕を発揮していただけに、「KDDIは今後、どのような方向に進むのか」「田中社長は、どのようなコメントを発するのか」などを楽しみに参加した。
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