その他
中国に広がる連合の波 NECの現地トップが協業を匂わす
2011/03/17 21:07
週刊BCN 2011年03月14日vol.1374掲載
「レノボとNECの提携範囲はどこまで広がるのか」。1月27日の正式発表から数週間、そんなテーマの推測記事が複数のメディアから発信された。協業する分野は、日本市場でのパソコン事業だけでなく、他地域でのビジネスと、パソコン以外の製品・サービスでもあるのではないか、と。
2月下旬、NECの執行役員で中華圏(中国本土、台湾、香港)の総責任者を務める木戸脇雅生総裁に、北京市でインタビューした。氏は、中華圏に存在するNECグループ・関係会社の約2250人の従業員を束ねるトップである。PCに関しては、「日本の話なので語る立場にはない」と突き放したが、中国での可能性については、こうコメントした。「NECのサーバーとソリューションを中国市場で拡販するための協業はあり得る」。
具体的な内容は「今後詰めていく」と明言を避けたが、レノボとNECが中国市場で協業することは、木戸脇総裁の発言で明確になった。表情をうかがえば、協業についての議論がまったくなされていないとは思えなかった。
NECは、2012年度(13年3月期)を最終年度とする3か年の中期経営計画「V2012」を推進しており、売上高4兆円、営業利益2000億円の獲得を目指している。海外での売上高拡大は達成のために必須。とくに東南アジアと中華圏のエリアは大きな役割を担っており、4兆円の10分1を超える4500億円を稼ぐ計画を立てている。EMEA(欧州、中東、アフリカ)が2400億円、北米が2300億円であることをみれば、その重要性は明らかだ。
木戸脇総裁は、「中華圏で年率50%は伸ばす。中国のGDP(国内総生産)の年成長率がたぶん10~15%。仮に15%成長したとしても、残りの35%は既存事業・市場以外の新規ビジネスで獲得しなければならない」と試算している。ハードメーカーとしての立場から脱しきれないレノボにとって、NECが日本で培ったソリューションのノウハウを得られることは大きなメリットだ。「レノボもそれを期待しているはず」(木戸脇総裁)。一方、レノボとの協業によって、ソリューションで新たな顧客を得られるチャンスが生まれるNEC。サーバーはレノボももっており、この分野での協業のかたちは読めないが、少なくともソリューションでの両社の思惑は一致するように思える。
中国のIT市場をユーザー業種・業界別でみると、政府、通信、金融、製造、教育業界向けITマーケットは規模は大きいが、すでにメインのITプレーヤーが定着しており、参入障壁が高いという。しかし、交通、電力、流通、医療は、「市場規模はまだ小さいけれど、成長率が高くメインプレーヤーがいない」と木戸脇総裁は言う。当然、照準を合わせてくるだろう。
市場が飽和した日本から始まるレノボ・NEC連合の波は、巨大マーケット、中国にすでに広がっている。(木村剛士)
「レノボとNECの提携範囲はどこまで広がるのか」。1月27日の正式発表から数週間、そんなテーマの推測記事が複数のメディアから発信された。協業する分野は、日本市場でのパソコン事業だけでなく、他地域でのビジネスと、パソコン以外の製品・サービスでもあるのではないか、と。
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料)
ログイン
週刊BCNについて詳しく見る
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。
- 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!…etc…