その他
パブリッククラウドとの連携強化を 業種業態の垣根を越えてレベルアップを図れ
2012/01/26 14:53
週刊BCN 2012年01月23日vol.1416掲載
「パブリッククラウド」と「エンタープライズクラウド」の連携が求められている。コストパフォーマンスや使い勝手のよさから、パブリッククラウドのユーザー数は急速に拡大してきた。だが、一方でパブリックは可用性に限界があるのも事実で、これを補うのがエンタープライズクラウドである。パブリックとエンタープライズを組み合わせることで費用対効果の向上を図り、ユーザー満足度を高める方向へ進路をとるのが得策だ。
国内のパブリッククラウドは、ホスティングやプロバイダ事業者が中心となって運営しているのに対し、エンタープライズクラウドの主なプレーヤーはSIerである。クラウドコンピューティングの枠組みのなかでの両者間の連携は緒に就いたばかりで、現段階では十分なサービス連携がとれているとはいいがたい状況にある。大手SIerの動きをみても、むしろAmazon Web Services(AWS)やWindows Azure、Salesforceなど海外有力パブリックサービスとの連携が先行している。 国内パブリックベンダー側も、パブリックに求められる以上の可用性を無闇に追求し、コストパフォーマンスや使い勝手を落とすのではなく、エンタープライズを得意とするSIerとの連携にもっと積極的になってもよい。可用性に言及すれば、例えばNTTPCコミュニケーションズの「CLOUD9」は2011年5月に仮想サーバーへの接続不可になった。国内有数の規模を誇る北海道・石狩データセンター(DC)を11月15日に全面開業したばかりのさくらインターネットの「さくらのクラウド」は、障害発生で12月分の料金を無償にすることにした。GMOクラウドの「GMOクラウドPublic」は12月にクラウドポータルの一部機能の障害を起こしている。 しかし、だからといってパブリッククラウドの価値が失われているわけでは決してない。国内有力パブリッククラウドサービスは先行するAWSを上回るコストパフォーマンスや、これまでのDCサービスにはなかった拡張性、迅速性を実現しているケースが多くみられ、今後、高い国際競争力を発揮していく可能性が高い。もともとパブリックは稼働率99.9%(3ナイン)程度の可用性(年間9時間弱の停止)で運用することが多く、エンタープライズは4ナイン、5ナインの高いサービスレベルがざら。その分、値段も高い。 ユーザー企業はクラウド活用にあたって、それほど高い可用性は求められないが、負荷変動が大きいシステムはパブリックを使い、ミッションクリティカル系はエンタープライズを使うといった使い分けをするのが賢明である。ベンダー側も、ホスティングやプロバイダ、SIer、コンピュータメーカーといった業種業態の垣根を越えたサービス連携を推し進めることで、日本のクラウド産業のより一段のレベルアップにつなげるべきだ。(安藤章司)
「パブリッククラウド」と「エンタープライズクラウド」の連携が求められている。コストパフォーマンスや使い勝手のよさから、パブリッククラウドのユーザー数は急速に拡大してきた。だが、一方でパブリックは可用性に限界があるのも事実で、これを補うのがエンタープライズクラウドである。パブリックとエンタープライズを組み合わせることで費用対効果の向上を図り、ユーザー満足度を高める方向へ進路をとるのが得策だ。
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