ネットワーク機器やセキュリティ製品の販売を手がけるマクニカネットワークス(宮袋正啓社長)は、企業に求められるセキュリティ対策やリスク管理の最新情報を届けるプライベートイベント「Macnica Networks DAY 2012」を、7月10日に東京・品川で開催した。基調講演やセッションでは、サイバー攻撃のトレンドを語り、「真のセキュリティ」を実現するソリューションとして、同社が取り扱うセキュリティ製品を訴求した。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
イベントでは、「いち早く、より深く、さらに高みへ。提案力と技術力の融合~真のセキュリティがここに」と題して、ユーザー企業はサイバー脅威の急増や多様化に対応するために、どのようなセキュリティ対策やリスク管理を必要としているかについて、基調講演やセッションで最新の情報を提供した。さらに、マクニカネットワークスが取り扱うセキュリティ関連の商材を紹介するブースを設け、セキュリティのトレンドや製品の特徴に関する来場者の質問に答えた。
敵側のコストを増大させる
一つ目の基調講演では、マルウェア対策などを提供する米CrowdStrike社のジョージ・カーツ社長兼CEOは、全世界で普及が進んでいるモバイル端末を狙ったサイバー攻撃について語った。カーツCEOは、モバイル端末にフィッシングメールが送信されてブラウザが乗っ取られ、リモートアクセスツールのインストールによってセキュリティが侵害されるという攻撃のパターンを説明。また、このパターンによってサイバー攻撃の被害を受けた大企業の例を挙げながら、モバイル端末をターゲットとする攻撃が確実に増えていることを述べた。

基調講演の会場では多くの来場者が集まった
カーツCEOは、「企業や機関はセキュリティを強化するために、マルウェアそのものを問題視するのではなく、敵は誰かを問題視することが重要だ。そして、最新のセキュリティツールを活用することによって、敵側のコスト(サイバー攻撃に必要な時間と金)を増大させなければならない」と、サイバー攻撃を仕かける側のコストを増大させることが有効なセキュリティ対策となると訴えた。
基調講演の二つ目は、CrowdStrikeのゲルハルト・ワッツィンガー会長による「サイバーセキュリティの新たな現実~最悪の事態を想定し、攻撃に備える」をテーマとする内容。攻撃の複雑化によって、これまでとは違うセキュリティ対策が必要になると指摘した。ワッツィンガー会長は、具体的な対策として、ハッカーの動機を把握することをはじめ、企業間での情報共有や、クラウド型の脅威対策をとることを挙げ、いち早く新たな現実に備えることの重要性を訴えた。
スマートデバイスを守る対策
「Macnica Networks DAY 2012」では、基調講演のほかに、20以上のセッションを開いた。スマートフォンやタブレットを中心とするスマートデバイス向けセキュリティをテーマとするセッションでは、マクニカネットワークス第2営業統括部第2部の梅本正一郎氏が、「盗難・紛失」「社員による流出」「マルウェア」の脅威への対策を説明した。梅本氏は、スマートデバイスを守るツールとして、遠隔ロック・ワイプをはじめとするMDM(モバイル端末管理)機能と、マルウェア対策などセキュリティ機能を実装した「McAfee Enterprise Mobility Management(EMM)」をアピールした。

ブースで各製品を紹介する

セキュリティ商材を来場者にアピール