ネットワークインテグレータ(NIer)のマクニカネットワークス(宮袋正啓社長)は、2011年7月に神奈川県横浜市の本社内に設立した技術検証センターの体制を強化することに取り組んでいる。この5月、国内最大のIT専門展「Japan IT Week 2012 春」の一環として開催された「情報セキュリティEXPO」で、IT機器を実際の使用環境で検証する必要性を訴え、同社の技術検証センターをアピールした。今後、センターのラック数を増やし、速いスピードで増大するクラウド・仮想化関連製品の検証に対応した環境をつくる。(取材・文/ゼンフ ミシャ)

「カタログスペックに騙されるな」。情報セキュリティEXPOのブースで、IT機器を実際の使用環境で検証する必要性を訴求
半導体などの電子部品商社、マクニカの100%子会社であるマクニカネットワークスは、バリュー・アデッド・ディストリビュータ(VAD)として、ネットワーク機器やストレージといったIT製品の再販を手がけている。富士通やNECなど大手メーカー系のほか、NTTデータをはじめとする有力SIerを主な取引先としており、自社の技術力を生かし、何らかの「付加価値」を付け加えたかたちで製品を提供する。
その付加価値の一つが、昨年に開設した「マクニカネットワークス技術検証センター」だ。
事前にボトルネックを洗い出す
技術検証センターには、9本のラックを用意。マクニカネットワークスと、システムの導入や運用サポートを事業とする子会社のマクニカソリューションズが取り扱うIT製品のパフォーマンスを実際の使用環境で検証することができる。150種類以上のアプリケーションの稼働を40Gbpsでシミュレーションできる環境を整えており、さらに、4500以上のサイバーアタックをシミュレーションすることができるなど、セキュリティ検証に関する環境も充実している。

オペレーションルームから検証を行う
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技術統括部 鈴木秀一統括部長 |
センターでは、検証のノウハウに精通するエンジニアのチームを集めている。エンジニアらは製品の負荷特性やチューニングポイントに関して、ユーザーの検証をサポートする。技術統括部の指揮を執る鈴木秀一統括部長は、「当センターを活用することによって、システム構成のボトルネックとなる要因を事前に洗い出すことができる」と、メリットを語る。
マクニカネットワークスは、5月に東京ビッグサイトで開催された「情報セキュリティEXPO」で、同社の技術検証センターをアピールした。鈴木統括部長は、ブースを訪れた来場者に対して「IT製品は、カタログに掲載されるパフォーマンス(カタログスペック)はあくまでも参考値だ。セキュリティ設定や一緒に稼働させる機器やアプリケーションによって、実際のパフォーマンスは大きく変わる」と説明した。その一例として、カタログスペックで1.5Gbpsのスループットだったのが、セキュリティ設定を「ON」にした実際の使用環境では2.0Mbpsのスループットを実測したというケースを語り、参考値と実際のパフォーマンスの間のギャップを示した。
センターの活用シーンを増やす
同社は、技術検証センターが好感触であることを受け、体制を強化することに取り組んでいる。アプリケーション稼働のシミュレーション速度を現在の40Gbpsから80Gbpsへ引き上げることに加え、検証用のサーバーラック数を9本から12本に増やす方針だ。鈴木統括部長は、「今後、とくにクラウド・仮想化関連の製品が増えることを予測しており、クラウド・仮想化関連が検査対象となる機器やアプリケーションを追加し、多種多様な検証環境をつくりたい」としている。ユーザーにとって技術検証センターの活用シーンを増やし、VADとして他社との差異化を明確にする戦略だ。

技術検証センターでは、9本のラックを用意する