スーパーマーケットの運営などを手がける明治屋は、既存のスパム対策システムに不具合が生じて、システム刷新に迫られた。検討の末、シマンテックの「Symantec Messaging Gateway」を導入。ウイルス対策ソフトの「Symantec Endpoint Protection」と組み合わせてライセンス購入したことで、他社製品よりもコストを抑えて導入することができ、運用では管理の手間を軽減した。さらに、多層防御の環境を構築して、全体のセキュリティ性能を高めた。
ユーザー企業:明治屋
創業は1885年。メーカーとしてオリジナルブランド食品を製造・販売するほか、輸入食品・酒類を扱うスーパーマーケットを運営。また、世界中の港で、資材や食料などの納入事業を展開している。
プロダクト提供会社:シマンテック
プロダクト名:Symantec Messaging Gateway
【課題】人員不足なので手間を省きたい

情報システム室
佐藤秀幸課長 明治屋は、「マイジャム」シリーズなどのオリジナルブランド食品や、輸入した食品類・酒類を販売するスーパーマーケットを運営していることで知られている。一方で、世界各国の港で船舶への資材・食料の納入業(シップチャンドラー)を営むという一面をもっている。
こうした事情があって、明治屋では社員が海外の企業とメールでやりとりする機会が多く、セキュリティ対策に積極的に取り組んできた。ウイルス対策ソフトは、社内でインターネットを利用し始めた当時から導入して、シマンテックの製品をおよそ10年間使ってきた。また、スパムメールやフィッシングなどの脅威からシステムを守る体制の整備にも力を入れてきた。
以前は、スパムメール対策にシマンテック以外の製品を使っていた。はじめは問題なく運用していたが、あるときバージョンアップしたところ、システムに不具合が生じて正常に動作しなくなった。サポート会社に相談したが、「手の施しようがない」といわれて、システムを刷新しなければならない事態になった。
刷新にあたって、スパムメールを侵入させないという基本機能を満たすほかに、コストの削減と手間の軽減をしたいと考えた。「明治屋には、373人(2012年2月末現在)の従業員が在籍しているが、情報システム担当者は数人しかいない。社内のシステムに関わることは、この人数ですべてを管理しなければならず、ITにかけられる予算も限られている」(情報システム室の佐藤秀幸課長)という事情があったからだ。
数社の製品を検討したが、シマンテックのスパムメール対策ソフトは他社製品と比べてライセンスコストや管理の手間が抑えられると判断し、「Symantec Messaging Gateway」を選択。2011年の春に導入した。
【解決と効果】二重ブロックで全体のセキュリティ性能を向上
「Symantec Messaging Gateway」は、インバウンドのメールからスパムウェアやウイルスメールを検知・処理するセキュリティソフトだ。
明治屋は、導入にあたって法人向けライセンス「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」を利用することで、コストを削減した。複数のシマンテック製品のライセンスを組み合わせて購入するパッケージで、製品ごとに別々で購入するよりもライセンスコストを抑えられる。明治屋は、ウイルス対策ソフトを従来の「Symantec AntiVirus Corporate Edition」から後継版の「Symantec Endpoint Protection」に移行する予定があったので、「Symantec Messaging Gateway」と組み合わせてライセンスを購入した。
また、「Symantec Protection Suite Enterprise Edition」の導入によって、ライセンス管理の手間を軽減することができた。「ライセンスの形態が、サーバーでもクライアントOSに導入しても同じで、一元的に管理できる」(佐藤課長)からだ。
実際に稼働してからは、「以前はクライアント側に1日1、2通くらい来ていたスパムメールが、一人あたり一か月に1通程度に減った」(佐藤課長)。その結果、これまで毎日行っていたスパムメールのチェックや、2か月に一度行っていたブラックリストの更新が不要になった。「最初にホワイトリストとブラックリストをつくって初期設定しただけで、今はほとんどノータッチで済んでいる」(佐藤課長)という。
また、同時に導入したクライアント側の「Symantec Endpoint Protection」では、ウイルスの検出件数がほとんどない。インバウンドの「Symantec Messaging Gateway」の段階でスパムメールを除去しているので、そもそもクライアント側に届くスパムウェアやウイルスメールが少なくなっているのだ。多層防御を構築したことで、セキュリティシステム全体の性能を向上した。(真鍋武)
3つのpoint
統合ライセンスでコストを削減
運用の手間を軽減
多重防御でセキュリティを向上