その他
シマンテック SMB事業の売り上げ倍増を狙う ライセンス型クラウドで町工場を開拓
2012/02/16 21:07
週刊BCN 2012年02月13日vol.1419掲載
昨年半ばから中堅・中小企業(SMB)向けビジネスの拡大に注力しているシマンテック(河村浩明社長)。今年1月に、有力ディストリビュータ4社と提携し、クラウド型セキュリティサービスをライセンス形態で提供するという新しい販売モデルに着手した。製造業などの小規模企業を重点に狙い、向こう3年でSMB事業の売り上げを倍増させる。
シマンテックの河村浩明社長は、東日本大震災の発生などによって、SMBでセキュリティの需要が拡大していることを受け、昨年6月、SMB事業を強化することを経営方針の一つの柱に掲げた。その一環として、クラウド型メッセージングセキュリティサービス「シマンテック ドット クラウド メール&Webセキュリティサービス(ドットクラウド)」を、月額課金方式ではなく、他のセキュリティ製品と同様に年間のライセンス形態で提供を始めた。これは、同社にとって「SMBの事業拡大に向けた最も重要な取り組み」(常務執行役員兼パートナー営業統括本部長の宍戸武士氏)になっている。
ドットクラウドは、現時点で、日本市場で大手企業を中心に約400社に導入されている。2010年度(11年3月期)のグローバルでの売上高は143億円で、前年度比14%の成長を記録した。しかし、これまでのSaaS型での提供では、サービス販売に必要な月額課金システムや自動更新システムを2次店が整える必要があり、SMBを得意とする中小規模のリセラーにとって再販しづらいことが課題だった。そのため、「当社は今まで、SMBに幅広くリーチできる販売網を築けていなかった」(宍戸統括本部長)という。
シマンテックは今回の取り組みで、まずSMBに強い販売網の構築に注力。SMB市場に根づいた数多くの2次店をもつソフトバンクBB、ネットワールド、ダイワボウ情報システム、シネックスインフォテックの大手ディストリビュータ4社と組み、この4社を通じてSMB市場へのアプローチを狙う。ライセンス形態は、月額課金システムなどを用意せず、サービスの取り扱いを開始することができるので、再販のハードルが大きく下がる。
シマンテックがドットクラウドを商材としたSMB向け展開でとくに注目しているのは、従業員数が1~50人の小規模企業の新規開拓だ。宍戸統括本部長は、「販売パートナーに、シマンテックのセキュリティは低価格で簡単に導入することができることをユーザー企業に訴求してもらい、小規模企業をお客様として獲得することに拍車をかけたい」としている。なかでも、製造業の企業の開拓を重視し、「製造業では、小さい町工場を含め、幅広く導入実績を挙げたい」という。
シマンテックは今後、ディストリビュータ/リセラー向けの支援策として、製品の特徴や提案の仕方を説明するセミナーの開催に力を入れる。同社の目標は、SMB事業の売り上げを3年後に倍増すること──。宍戸統括本部長は、「今回のライセンス提供と販売網づくりによって、目標達成の基盤が50%は整った」と自信満々だ。(ゼンフ ミシャ)
昨年半ばから中堅・中小企業(SMB)向けビジネスの拡大に注力しているシマンテック(河村浩明社長)。今年1月に、有力ディストリビュータ4社と提携し、クラウド型セキュリティサービスをライセンス形態で提供するという新しい販売モデルに着手した。製造業などの小規模企業を重点に狙い、向こう3年でSMB事業の売り上げを倍増させる。
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