その他
復興支援には“脱CSR”が必要 儲かる仕組みで東北を継続的に支える
2013/04/04 21:03
週刊BCN 2013年04月01日vol.1475掲載
東日本大震災から2年が経過した今、東北の復興を支援する方法を見直す必要がある。復興支援の担い手である有力ITベンダーは、これまで製品やサービスを被災地の企業や自治体に無償提供するなど、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として東北をサポートしてきた。しかし、東北を継続的に支援し、地元の経済を中・長期的に活性化させるには、CSRだけでは限界がみえてきている。CSRの予算はITベンダーの業績に依存しているので、時間がたてばたつほど、復興支援に使う予算の金額が減る可能性が大きいからだ。今後は、CSRではなく、ITベンダーが自社も儲かる仕組みをつくり、復興支援を新しいフェーズに移していくことが重要だ。
キーワードになるのは、支援のビジネス化だ。未曾有の災害に遭った岩手県・宮城県・福島県は、復旧・復興や震災に強い街づくりなどについて、世界が注目する「課題先進地」となり得る。この2年の間、クラウドをはじめとするインフラを提供し、ICT(情報通信技術)の活用事例をつくってきたITベンダーは、復興支援の経験を踏まえて、防災・復興関連のサービスを商業化することができる。これらのサービスを日本国内に限らず、地震や津波が発生しやすいアジアの諸国など、グローバルでも展開することが可能だ。東北を元気にするためにCSR活動は重要だが、復興支援を中途半端に終わらせないためにも、いち早くITベンダーの収益につながる仕組みを考えることが欠かせない。
ITベンダーの収益と東北の継続的な発展を融合させるために、東北のリソースを活用することが重要だ。地元のIT企業は震災をきっかけとして、ソフトウェアの受託開発に依存するビジネスモデルの崩壊が加速している状況にあって、独自のサービスを展開しなければならないという危機意識を高めている。県や市、大学などにサポートを受けるかたちでユニークなサービスを提供するITベンチャー企業が東北各地に現れている。大手ベンダーは、彼らの技術を生かして自社製品に組み込んだり、自社の販売網に乗せたりすることで、win-winの関係を築くことができる。大手ベンダーに東北のITベンチャーに着眼し、積極的に提携してもらいたいと願う。
震災に強いネットワークの構築やエネルギーを効率よく使用するスマートシティの構築、震災関連情報をリアルタイムで発信するアプリケーションの開発などなど、ITベンダーにとって、チャレンジすることができる分野が数多くある。東北を継続的に支援し、発展に貢献するために、これらのチャンスをビジネスに転換することが大切だ。(ゼンフ ミシャ)
東日本大震災から2年が経過した今、東北の復興を支援する方法を見直す必要がある。復興支援の担い手である有力ITベンダーは、これまで製品やサービスを被災地の企業や自治体に無償提供するなど、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として東北をサポートしてきた。しかし、東北を継続的に支援し、地元の経済を中・長期的に活性化させるには、CSRだけでは限界がみえてきている。CSRの予算はITベンダーの業績に依存しているので、時間がたてばたつほど、復興支援に使う予算の金額が減る可能性が大きいからだ。今後は、CSRではなく、ITベンダーが自社も儲かる仕組みをつくり、復興支援を新しいフェーズに移していくことが重要だ。
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