ディストリビューション事業を手がけるマクニカネットワークス(宮袋正啓社長)は、スイッチやルータなどネットワーク製品を提供するジュニパーネットワークス(ジュニパー)の事業拡大に取り組んでいる。スマートフォンやタブレットの普及を追い風として、セキュアなネットワークをつくることができる製品の需要が高まっていると判断し、販売パートナー(2次販売店)に対する支援を強化する。技術トレーニングや検証環境の提供など、サポートを拡充することによってパートナー体制を強化し、販売の拡大につなげる。営業現場の担当者2氏に、直近の動きを聞いた。(取材・文/ゼンフ ミシャ)
「スマートフォンを使って、安全に社内システムにアクセスすることができる仕組みをつくりたい」──。マクニカネットワークスで、セキュアなリモートアクセスを実現するジュニパーのSSL-VPN「SA/MAGシリーズ」を担当する第2営業統括部第3部第2課の澤勇樹氏は、販売パートナーやエンドユーザーから相次いで要望を受けた。「スマートデバイスが普及したおかげで、『SA/MAGシリーズ』のニーズに確かな手応えを感じている」という。

(写真左から)第2営業統括部 第3部第2課 澤 勇樹 氏、第2営業統括部 第3部第1課 山崎晴幸 氏新規パートナーを獲得
「SA/MAGシリーズ」は、拠点が多かったり、在宅勤務の制度を導入している製造や金融といった業界のユーザー企業を中心に「しっかりした顧客基盤ができている」(澤氏)と語る。今後、既存のユーザー企業を維持しながら、通信キャリアや海外展開に取り組んでいる企業にフォーカスを当てて、新規市場の開拓を目指す。そのため、販売体制面では、「既存パートナーとの関係を緊密にしながらも、新しい販売店を獲得していく」(同)。
同社は販売体制の強化に向けて、月一回、パートナーの技術者を対象として新機種の仕様をレクチャーする勉強会を開いている。「当社がハイタッチ営業で得た情報もパートナーに提供し、提案活動を全面的にバックアップする」(澤氏)というものだ。
スマートデバイスの普及によって、ユーザー企業では、ネットワークインフラの強化が課題として浮かび上がっている。そんな状況にあって、ジュニパー製品では、「SA/MAGシリーズ」のほかに、イーサネットスイッチ「EXシリーズ」とセキュアルータ「SRXシリーズ」も、有望な商材として注目を浴びている。
マクニカネットワークスは、スイッチの「EXシリーズ」を、大手ネットワークインテグレータ(NIer)やインターネットサービスプロバイダ(ISP)を中心に、約30社のパートナーに提供している。「ジュニパー事業全体での売上比率が高い」(第2営業統括部 第3部第1課の山崎晴幸氏)という。ルータの「SRXシリーズ」も「機能改善したことによってようやく浸透が始まり、販売が順調に伸びている」(同)そうだ。
検証センターで実機を触る
山崎氏は、「『EXシリーズ』と『SRXシリーズ』をさらに伸ばすために、新しいパートナーの獲得を目指す。地方を含めて勉強会を開いたり、実機を使ったトレーニングなど、エンジニア育成をサポートすることに注力していく」と方針を述べる。
マクニカネットワークスは、ジュニパー製品の検証ができる技術設備を設けている。山崎氏は、「実機を触ることができるので、高い評価を得ている」と喜ぶ。製品の魅力だけでなく、検証センターも武器にして、ジュニパー製品のビジネスを伸ばしていく。

イーサネットスイッチ「EXシリーズ」など、ジュニパーネットワークス製品の検証ができる環境を用意する