【第5章 新ビジネスの探し方】
新規事業開発のプロセスを可視化
既存商品で新しい価値を提供
──ところで、新しい市場や領域は、どのようにして探しておられますか。 岡田 アンテナを高く張ることが大前提となるでしょう。アイデアやビジネスモデルはあるけれども資金が不足しているITベンダーがあって、最近よく相談を受けます。それを3件程度、実ビジネスに結びつけました。
中村 新しいビジネスを創出するためのプロセスを設定しています。もとになっているのはLEGO(レゴブロック)です。長年にわたって同じ商材で事業を展開しながらもビジネスを変革し続けています。それをネタにして作成して、社内に根づかせています。また、シーズもニーズも両方ありますが、SIベンダーなのでパークのなかから見つけるために、「本当に顧客が儲かる」「顧客の顧客が増える」「本業に集中する」「つながる」の四つのキーワードを顧客価値として、そこに該当するかどうかを判断し、新しい領域を立ち上げるようにしています。その場合、こなれた技術を組み合わせて新しい価値を生み出すことを重要視しています。
小林 中村さんがおっしゃるような新規ビジネス事業開発のビジネスプロセスの可視化については、当社も実行しています。もともと各事業部にいた目利きの担当者が持ち込んだ新しいビジネスは、あまりプロセスが明確ではないこともあって、担当者が代わるとわからなくなってしまう可能性があるからです。
そのなかでも、シーズ中心ですが、製品ライブラリを作成し、500~600社程度のITメーカーとコンタクトして、よい製品が見つかればSkypeなどで連絡をとって、当社で扱うとすればどうかという仮説を立て、ビジネスになるかどうかの重要度でステータス分けをしています。
──ご出席いただいた皆さまの真摯な取り組みの様子がひしひしと伝わってきました。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。 <Profile>●アシスト 経営企画室 ビジネス開発部 部長 小林 誠(こばやし まこと)氏 1964年、佐賀県生まれ、49歳。汎用機全盛の頃、システム運用系のフィールドエンジニアとして新卒でアシストに入社し25年。2001年から営業職転向。02年より4年半、北陸営業所にて地域営業を経験。05年からはBI(ビジネス・インテリジェンス)のプロダクト責任者として活動、また新規ベンダーの調査・立ち上げを経て、今年から中・長期に向けクラウドを中心とした新規ビジネス立ち上げを先導する責任者に。趣味は子どもと遊ぶこととランニング。
●アジルコア 経営推進本部 営業部 部長 宮武 克己(みやたけ かつみ)氏 1957年、岡山県生まれ、56歳。証券会社に20年勤続。旧ウッドランド(現・フューチャーアーキテクト)に入社し、大阪を拠点にパッケージの販売を担当。ウッドランド時代にエンドユーザービジネスで開発協業したのが現在在籍しているアジルコア。その縁で、4年前にアジルコアに転職した。同社では、病院向けシステムに力を入れている。趣味は、フットサルを現役でやっているほか、常に身体を鍛えること。
●NECシステムテクノロジー チーフコンサルタント(前・NECネクサソリューションズ 営業推進本部本部長代理) 中村 敏(なかむら さとし)氏 1960年、東京都生まれ、52歳。83年にNECの製造・装置業向け担当として入社。ソフトウェアの生産性向上に関する業務を担当。その後、生産管理パッケージの開発を担当したほか、ERP「EXPLANNER」などで年商500億円以下の民需開拓に従事。11年に中堅市場の中核ベンダーのNECネクサソリューションズでソリューション統括に着任。今年4月には大阪のSE会社のNECシステムテクノロジーに異動。趣味は、ゴルフと立ち飲み。
※今年4月1日付でNECシステムテクノロジーに異動した中村敏氏は、それまで在籍していたNECネクサソリューションズ時代の話を中心に論じています。
●新日鉄住金ソリューションズ ITインフラソリューション事業本部 副本部長 営業企画部長 岡田 康裕(おかだ やすひろ)氏 1964年、東京都生まれ、48歳。大学卒業後、独立系ソフト会社の旧アルゴ21(現・キヤノンITソリューションズ)に入社。7年間の勤務を経て、新日本製鐵ソリューションズ(現・新日鉄住金ソリューションズ)のEI(エレクトロニクス情報通信)事業部に転職し、大手金融などのシステムを担当。その後、ITインフラ関係の現事業部に配属され、企業の基幹システムに特化したクラウド関連の企画・開発に取り組んでいる。趣味は、3人の子息の子育て。