その他
NECが新設した一気通貫組織の注目商材 NW起点で差異化する垂直統合型製品
2013/06/20 21:03
週刊BCN 2013年06月17日vol.1485掲載
NECが今年度(2014年3月期)に新設した社内組織「システムプラットフォームビジネスユニット(BU)」。このBUは、旧プラットフォームBUに「パーソナルソリューションBU」「社会インフラソリューションBU」「ITサービスBU」の一部事業を吸収・統合して誕生した。スパコンからサーバー、PC、タブレット、ATM、POSなどのハードウェア、OSやミドルウェアなどのソフトウェア、UCやPBXなどのネットワーク(NW)製品がこのBUに入る。旧プラットフォームBUの売上規模は約4000億円だったのに対し、システムプラットフォームBUのそれは8000億円強。全社売上高の約4分の1を占める、NECの歴史でも例がないハードウェアの一気通貫組織である。
このBUを統括するのが、4月に執行役員常務に昇格した庄司信一氏だ。子会社であるNECインフロンティアの社長から本社に復帰し、BU長に就いた異色の人物だ。コンピュータ事業の中核である府中事業場での経験が長く、x86サーバー「Express 5800シリーズ」の立ち上げに深く関与してきた。NECインフロンティアでは、NW事業を経験。異なるジャンルの製品を組み合わせて、NECの総合力を生かすことがミッションのシステムプラットフォームBUのトップとして、格好の人材だろう。庄司氏は「NECは、サービスやシステム全体を捉えた企業向けデバイスを本気で考えてこなかった反省がある。NECの企業向け製品はどんな価値を提供できるのか。徹底的に追求する」と語る。
システムプラットフォームBUの役割を象徴するのが、庄司氏が生みの親となった垂直統合製品「NEC Solution Platforms」だろう。ハードとソフト、サービスを融合させてNECの力を結集したプラットフォーム製品だけに、この成否が新BUの成果を測るのは明らかだ。なかでも、「UNIVERGE ホテル業務基盤」は注目に値する。あまり知られていないが、NECは、世界のホテル向けネットワークシステムに強い。ラスベガスのホテル大手では50%以上のシェアをもつほどだ。「UNIVERGE ホテル業務基盤」は、これらの実績をもとにホテル業の細かなニーズを取り入れながら、NW起点として開発した垂直統合型製品だ。他社が「IT」をベースに垂直統合製品をラインアップするのに対して、NECは他社にはできない「NW」を切り口に垂直統合提案を図っていくことになる。
新組織で目指すのは、これまでのように個々の製品の強みを強調するのではなく、プラットフォーム全体として付加価値を提供するハードウェアの展開。この意識が社内に浸透し製品に反映されれば、巨大な一気通貫型組織を誕生させた意味があるといっていい。今年7月、NECは垂直統合製品の販売パートナープログラムを公表する。パートナーとのタッグをどう進めるかも注目に値する。(フリーランスジャーナリスト 大河原克行)
NECが今年度(2014年3月期)に新設した社内組織「システムプラットフォームビジネスユニット(BU)」。このBUは、旧プラットフォームBUに「パーソナルソリューションBU」「社会インフラソリューションBU」「ITサービスBU」の一部事業を吸収・統合して誕生した。スパコンからサーバー、PC、タブレット、ATM、POSなどのハードウェア、OSやミドルウェアなどのソフトウェア、UCやPBXなどのネットワーク(NW)製品がこのBUに入る。旧プラットフォームBUの売上規模は約4000億円だったのに対し、システムプラットフォームBUのそれは8000億円強。全社売上高の約4分の1を占める、NECの歴史でも例がないハードウェアの一気通貫組織である。
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