その他
大手ICTベンダー 中小企業向けのサービス相次ぐ クラウドとタッチをきっかけに
2013/04/18 14:53
週刊BCN 2013年04月15日vol.1477掲載
大手ICTベンダーが、中堅・中小企業(SMB)向けIT導入施策を積極化させている。
NECは、SMB向けクラウド型ビジネスプレイス「N-Town」を5月に開始する。日本能率協会コンサルティングなどのパートナーと連携し、経営支援のコンサルティングなどを含めたワンストップサービスを提供していく。さらに垂直統合ソリューション「NEC Solution Platforms」でもクラウドモデルを利用し、SMBをターゲットとしたパートナービジネスを展開する姿勢をみせる。
NTT東日本は、同社の「オフィスまるごとサポート」を、デルのPCに搭載。このサービスを通じて、ExcelやPowerPointなどの操作説明、ソフトウェアのバージョンアップ、IT機器の運用サポートなどを提供する。デルは、これとは別に、今年20周年を迎えたのを機に、SMBを対象とする低価格キャンペーンを毎月のように実施。「デルが創業以来得意にするSMB市場での事業拡大が成長の鍵になる」(デルの郡信一郎社長)と、市場攻略に意欲をみせる。KDDIも、SMB向けに「KDDIまとめてオフィス」のサービスを拡充。ICTのサポートだけでなく、経営支援やオフィスサプライの提供などにも踏み出す。一方、日本マイクロソフトは、SMB向けIT活用推進支援策「Discoverキャンペーン」を全国規模で展開し、SMBのワークスタイルの変革に挑んでいる。
各社に共通しているのは、IT専任者を抱えていないSMBに対して、ICTをまるごと支援し、さらに経営支援までを視野に入れた点だ。
日本ではSMBのICT利活用が遅れている。NTT東日本の山村雅之社長は、「日本はICT基盤の整備では世界で1位。だが、ICTの利用では18位。基盤はあるが、使われていない」と指摘する。また、KDDIの東海林崇執行役員は、「米国は開業率が廃業率を上回っているが、日本は逆。廃業が多いのはICTを利活用したSMB同士の横連携が少ないため」と分析する。
では、なぜ、ここにきて大手ベンダーが相次いでSMB向け施策を展開しているのか。最大の理由は、クラウドと「ナチュラルユーザーインターフェース」の広がりにある。
これまでも、SMB向け製品は数多く存在したが、システムを運用する場合には、やはり一定のICTの知識が必要だった。また初期投資が大きく、導入しにくいという背景もあった。これがクラウドによって、一気に解決することになる。また、タブレットによるタッチ操作環境が加わることで、経営層がICTを扱いやすくなる点も見逃せない。これらは、「手間がかかる」と市場攻略に二の足を踏んでいたSIerにとっても、障壁が低くなることを意味する。大手ICTベンダーにとって、ほとんど手つかずの「宝の山」を攻略する機会が、今まさに訪れていることを感じる。(フリーランスジャーナリスト 大河原克行)
大手ICTベンダーが、中堅・中小企業(SMB)向けIT導入施策を積極化させている。
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