ソフトブレーンが開発する営業支援システム「eセールスマネージャー」の中国での販売を担うソフトブレーンチャイナ(軟脳軟件)は、中国で“営業の近代化”を支援するビジネスを伸ばしている。
「不見不散」で会うべきかを見極める

ソフトブレーン
チャイナ
宮原武史
董事長 中国では、かつての日本のような終身雇用的な概念は希薄で、米国流の転職によるキャリアアップが主流だ。優秀な営業マンが転職してしまうと、営業のノウハウばかりか、中国で重視される人脈まで持ち去ってしまうことも珍しくない。もう一つ、「アポイントをとっても実際に会えるかどうかはわからない」(ソフトブレーンチャイナの宮原武史董事長)という中国特有の時間観念にも悩まされる。中国の営業マンは、顧客のキーパーソンに会うために「不見不散(会うまでは帰らない)」の気概で臨んでいるのだ。
経営者側からみれば、(1)営業プロセス(2)「人脈」を可視化したうえで、(3)本当に「不見不散」で会うべきキーパーソンなのかどうかの見極めが求められる。(1)と(2)は会社にもノウハウや人脈を残すこと、(3)は限られた時間の有効活用につながる。この三点を訴求したところ、「中国のユーザー企業から引き合いが急増した」そうだ。今は中国での全ユーザーのうち約8割が日系と欧米外資、約2割が中国地場ユーザーという比率だが、向こう数年で「中国地場ユーザーの比率を50%まで高める」と、中国地場企業への売り込みに力を入れる。(安藤章司)