日本システムウエア(NSW)中国法人は、中国での日系製造業ユーザー向けの組み込みソフト開発で業績を伸ばしている。同社はもともと組み込みソフト開発を得意としているSIerであり、「日本と中国でシームレスに組み込みソフトを開発するサービス」(NSW中国法人の板山可成総経理)を展開したところ、中国に進出している日系製造メーカーから高い評価を得た。
日中間でのシームレスな開発が高評価

板山可成
総経理 同社は中国法人を2010年に設立。日系SIerのなかでは新参ではあるが、日系製造業向けの組み込みソフト開発を前面に押し出すことで、中国法人の昨年度(2012年12月期)の売り上げは前年度比で約3割伸びた。
板山総経理は「中国に進出する日系製造業ユーザーは、品質の高い製品をつくろうという意識が強く、日本品質の組み込みソフト需要は大きい」と分析。中国の人件費高騰によって、近年は一部製造業に“脱中国”の動きがみられるが、その一方で中国では人件費上昇分を吸収できる高品質、高付加価値の製品製造へシフトしている。板山氏自ら中国法人の総経理と日本本社の組み込み事業部門の事業部長を兼務し、「日中間で質の高いシームレスな組み込みソフト開発」を前面に出すことで受注増につなげた。
直近は自動車関連を主力としているが、今後はM2M(マシン・トゥ・マシン)やEMS(エネルギー管理システム)など、強みである組み込みソフト技術を生かした分野への進出を加速することで、中国ビジネスを伸ばしていく方針だ。(安藤章司)