液晶ディスプレイ市場で、ワールドワイドで注目を集めつつある製品がある。Philipsの製品だ。日本では、MMD Singapore 日本事務所(MMD)が販売している。製品ラインアップは、解像度が2560×1440の27インチワイドモデル「272C4QPJKAB/11」や2560×1080の29インチワイドモデル「298X4QJAB/11」、24インチ、23インチ、21.5インチモデルなど計11モデルを揃えている。また、すべての製品にパネルとバックライトを含めて標準で5年の長期保証をつけてユーザーに安心感を与えている。(取材・文/佐相彰彦)
高解像度で極めて鮮明な映像
電力消費量を節約するセンサも
Philipsは、電動歯ブラシやコーヒーメーカー、ひげ剃りなど白物家電でブランド力をもっているだけでなく、液晶テレビやサラウンドスピーカーもラインアップしている。パソコンの周辺機器で代表的なのは液晶ディスプレイだ。
日本市場に投入しているのは11モデル。国産メーカーの製品よりもリーズナブルで、外資系メーカーの製品と比べると高品質であることを特徴としている。例えば、27インチワイドモデルの「272C4QPJKAB/11」は、最新のPLSクアッドHDパネルを採用し、解像度が2560×1440の広角高解像度で鮮明な画像を実現している。また、無害の赤外線信号を発信・受信してユーザーの在席を確認する「PowerSensor」を搭載しており、ユーザーが机から離れている時に自動でモニタの明るさを落として電力消費量を最大で80%も節約する。29インチワイドモデル「298X4QJAB/11」は、大画面でありながら2560×1080の解像度をもつ。
高品質な画面を装備しているので、CAD/CAMを扱う業務や、膨大な量の財務データを扱う業務などに最適だ。もちろん、一般オフィスでの使用にも適している。また、コンシューマにとってもゲームユーザーなどに魅力のある製品に仕上がっている。つまり、さまざまな用途に適する製品をラインアップしているわけだ。
個人と法人の両市場で提供
サポートの重視で拡販を図る

三池田五第
営業マネージャー MMDは、Philips製の液晶ディスプレイの販売やマーケティングを目的に設立された企業で、欧州やアジアを中心に多くの地域で拠点をもっている。ワールドワイドでの展開と同様、日本市場でもPhilips製の液晶ディスプレイを個人と法人の両市場において拡販を図っている。日本事務所の三池田五第・営業マネージャーは、「日本市場に投入したのは11モデルで、すべてがユーザーのニーズに応えた製品」とアピールする。しかも、高品質でありながら国産メーカーよりも低価格に設定したボリュームゾーンを市場に投入することによって、個人向け市場でPhilips製の液晶ディスプレイが注目を集めている。「液晶ディスプレイに特化したビジネスを手がけているという点で他社との差異化を図ることができた」としている。
Philips製の液晶ディスプレイがユーザーに認められつつあるのは、品質面に加えてサポート面も後押ししている。5年間という長期保証で、他社にはない製品サポートをすべてのモデルに標準で付けている。
液晶ディスプレイ市場は、国内外を問わず需要が一段落している状況だ。買い替えを促すためには、液晶ディスプレイをリプレースするだけの価値を付加していかなければならない。その点についていえば、MMDでは高品質でリーズナブルなPhilips製の液晶ディスプレイを提供することによって、課題をクリアしている。成熟した市場であっても、価値のある製品を提供することによって、MMDは十分に収益を確保できるビジネスを展開していることを物語っている。
三池田マネージャーは、「今後は、サポートを強化することで、法人での利用を促進していきたい」との考えを示す。そのため、ディストリビュータなどとのパートナーシップを深めていくことで法人向け市場でユーザーを増やしていく方針。現在、法人向け市場でのシェア拡大に向けて着々と準備を進めている段階だ。