BCN(佐藤敏明社長)とソフトバンクBB(孫正義社長兼CEO)は、2月6日、SIerを対象としたセミナー「つながる環境下のスマデバによる“新仕事術”を提案して儲けろ!!~XP去って『Office 365』使った最適提案を伝授」を東京・大手町で開催した。今年4月9日の「Windows XP」サポート終了に向けてシステム環境を刷新するユーザーに対して、SIerがワークスタイル変革を実現するクラウドサービス「Office 365」やWi-Fi/VPNを効果的に提案する方法を紹介した。約60人が参加し、熱心に聴講した。(取材・文/真鍋武 写真/横関一浩)
“攻めのIT投資”が進む

谷畑良胤
『週刊BCN』
編集委員 セミナーの冒頭、「東京五輪までに企業システムはどう変わるか、変えるべきか~IoT時代のワークスタイルの変革を展望する~」と題して、『週刊BCN』の谷畑良胤編集委員が講演。調査会社の最新データや有識者の発言などを引用しながら、東京五輪が開催される2020年までの間に、「クラウド」「ビッグデータ」「スマートデバイス」「IoT(Internet of Things)」などのITトレンドに乗って、経営力を強化するためのユーザー企業の“攻めのIT投資”が進んでいくという予測を披露した。
こうした時代の提案手法について、谷畑編集委員は、「IT企業は、顧客から依頼されたものだけを提供するのではなく、顧客の先にいるお客様を見据えた提案を行うことが重要だ。例えば、コンビニにPOS端末を販売した際には、そこで働く従業員がスマートデバイスを活用して他店舗の商品売れ行き情報をリアルタイムに入手して、売れ筋を前面に陳列することができる仕組みを提案したり、来店したお客様に対して、O2O(Online to Offline)の仕組みを活用してサービスポイントを付与することを提案したりしてほしい」と述べた。
クラウド活用で業務の差は歴然

ソフトバンクBB
齊藤主典 氏 続いて、ソフトバンクBBの担当者2人が登場。最初に、コマース&サービス本部ビジネスソフトウェア統括部ソフトウェアビジネス支援課の齊藤主典氏が、「Office 365で実現するワークスタイル変革とは~パートナー様視点で提案メリットを説明します~」と題して講演した。
齊藤氏は、「Office 365」を利用するメリットについて、「クラウド上にデータを保存するので、PCが故障した際にもデータが消失してしまうようなことがない。人為的に削除した際にも、バックアップからデータを復元することができる。また、いつでもどこでも利用できるので、災害など緊急時でも在宅勤務が可能だ。メールをスマートフォンやPCで確認したり、ブラウザ経由でファイル共有したり、外出先からでもウェブ会議に参加したりできる。『Office 365』を活用している企業と、そうでない企業とでは、事業継続やコスト削減、ワークスタイル変革の実現度の差は歴然」と説明した。
さらに、パートナーが卸売販売できる「Office 365」関連のソリューションとして、専用アドオンソリューションと導入支援メニューを紹介。オンプレミス版「Office 2013」の購入者に対して、「Office 365」の一部機能を提供する「Office 365 ついてくるキャンペーン」や、複数年契約をすれば特別価格で「Office 365」を提供する「おまとめ Office 365 キャンペーン」などをアピールした。
端末とサービスを同時提案

ソフトバンクBB
門内充 氏 次に、コマース&サービス本部ビジネスソフトウェア統括部ソフトウェアビジネス支援課の門内充氏が、「Windows XP移行提案 PC導入だけで終わっていませんか? タブレット導入時に合わせて提案したい、ソフトバンクBBの新しいWiFi&VPNソリューションのご紹介」と題して、2月1日に提供を開始したソフトバンクBBの最新ソリューション「BBWorksかんたんWiFi/かんたんVPN」を紹介した。
門内氏は、「文字通り、簡単であることが特徴。3ステップでWi-Fi/VPN環境を構築して、クラウド上のセンターから管理する法人向けのアウトソーシングサービスだ。アクセスポイントとルータをサービスとして提供するので、ユーザーには機器購入の費用がかからず、コストを抑えることができる」とアピールした。
また、「BBWorksかんたんWiFi/かんたんVPN」の提供を開始した背景について説明。「当社が過去に経験した失敗を生かした。ある大学にiPadの導入を提案して、検討してもらっていたが、その大学はWi-Fi環境を構築していなかったので、機器の購入に多額の費用がかかることになってしまい、導入がうまく進まなかった。そこで、機器をサービスとして提供することを考えた。これなら、端末もサービスも提供できる」と事例を交えて説明した。
セミナー終了後には、講演者に対して積極的に質問を投げかける参加者の姿も目立ち、ワークスタイル変革に関するビジネスへの意欲の高さをうかがわせていた。