BCN(佐藤敏明社長)は、昨年12月18日、東京・神田の社内セミナールームで、「BCN PowerOn セミナー『スマートデバイスの有効活用を促す提案とは?』」を開催した。SIerやISV、ディストリビュータなど、約50人が参加した。

 ソフトバンクモバイルソリューション推進統括部の中山五輪男首席エヴァンジェリストが、「ビジネス向けiPhone/iPadの最新活用(成功)事例はこれだ!」と題して基調講演。さまざまな業界でのiPhone/iPadの活用事例として、社員研修用の動画閲覧に使用した例や、店舗、工場、駐車場などの現場カメラと連携して監視する例、独自開発のアプリケーションを構築して業務改善につなげた例などを紹介した。中山首席エヴァンジェリストは、「とくに営業現場でのiPad活用が増えている。カタログの閲覧などの際に、お客様に指を使ってiPadを操作してもらうことで、感動を届けることができるからだ」と説明した。

 また、アプリ開発ベンダーに対して、「『同じようなスマートデバイス向けのアプリを開発するベンダーが増えていて、どうしても価格競争に陥ってしまう』という相談をよく受ける。マーケットを絞って、特定業種用のアプリを開発すれば、他社と差異化することができる」とアドバイスした。

ソフトバンクモバイルソリューション推進統括部の中山五輪男首席エヴァンジェリスト

 セッションは、インフォテリアとシステム・テクノロジー・アイ、ソフトバンクBBの3社が担当。まず、インフォテリアプロダクトマーケティング部の松村宗和シニアプロダクトマネージャーが、「どの部門にも同じ話をしていませんか? タブレット提案の成功シナリオ」と題して、ユーザーに受け入れられやすいタブレット端末の提案法を紹介した。社内業務が中心のオフィスワーカー、営業などの顧客と対面する業務が中心のセールスワーカー、工場現場などのフィールドワーカーの3パターンに顧客を分類し、それぞれに対してスモールスタートを前提とした提案をすることが効果的であることを示した。

 松村シニアプロダクトマネージャーは、オフィスワーカーに対して、「とくに外出が多く、機密性が高い情報をやり取りする経営層に向けては、『経営会議でタブレット端末を使ってみませんか』という提案が有効だ。経営層から受け入れられれば、営業や工場などの現場での活用も提案しやすくなる」とした。

インフォテリアプロダクトマーケティング部の松村宗和シニアプロダクトマネージャー

 次に、システム・テクノロジー・アイの松岡秀紀社長が、「30万円で実減する進化し続けるペーパーレス会議とは?」と題して、サーバーアプライアンス「iStudy E-Server」シリーズを紹介。松岡社長は、「エントリモデルの『iStudy E-Server Mini』は、価格が30万円と安価で、20人が同時にアクセスしてペーパーレス会議ができる。アプライアンスなので、月額料金はかからない」とアピールした。

 アプライアンスで提供する理由について、「クラウドの利用に関して、セキュリティ上の不安を感じている企業は多い。とくに役員会などのトップシークレットの情報を外部に預けることに対しては、敏感になりがち。そうした企業でも、アプライアンスなら、社内にデータを保管したまま利用できる」と説明した。

システム・テクノロジー・アイの松岡秀紀社長

 続いてソフトバンクBBコマース&サービス本部モバイルクラウドビジネス統括部の北澤英之マーケティング部長が、「法人における各種スマートデバイス・ソリューションの最新利用状況と新たな販売手法」と題して講演し、「サービスビジネスは、『モバイル』『クラウド』をキーワードに、引き続き成長していく。デスクトップの仮想化やWindows搭載のタブレット端末などが普及して、オフィスプラットフォームはハイブリッド化していく」と、今後の市場動向を予測した。

 また、ソフトバンクBBのクラウドサービスビジネスに関して、「今後はパートナーとの紹介手数料モデルに力を入れる」と説明。クラウドサービスは安価なので、現在展開している流通仕入れ販売モデルでは、パートナーが見積もりの作成や支払い管理などでの負担が大きい割に収益を上げにくいという課題があった。北澤マーケティング部長は、「パートナーに代理店になってもらい、顧客にサービスを紹介したら手数料を支払う仕組みだ。実際の契約は、グループ会社のBBソフトサービスが行い、パートナーの負担を軽減する。手数料は多くはないが、たくさん売れば安定した収益になる」とメリットを訴えた。

ソフトバンクBBコマース&サービス本部モバイルクラウドビジネス統括部の北澤英之マーケティング部長

 セミナーの最後には、セッションで登壇した3人が「机の中に眠るタブレットを有効利用する提案とは?」と題してパネルディスカッション。モデレータは、谷畑良胤『週刊BCN』編集委員が務めた。

 タブレット端末を導入したものの、活用されずに机の中に眠ってしまう理由について、「導入時に活用方法を十分に考えていない」や「セキュリティを強固にし過ぎて、活用方法が縛られている」などの意見が挙がった。システム・テクノロジー・アイの松岡社長は、「例えば、PCの持ち出しが禁止されている会社で、セキュリティだけを強固にした端末を従業員に渡しても、働き方が劇的に変わることは期待できない」と指摘した。

 机の中に眠るタブレット端末を有効活用する方法について、インフォテリアの松村シニアプロダクトマネージャーは、「特定部門などに集中させることが有効だ。例えば、小売店であれば、店舗ごとに端末を1台ずつ配備するのではなく、一つの店舗に集める。そうすれば、端末を手にした従業員には『活用法を探す』という目的ができるし、効果も検証しやすい」とした。ソフトバンクBBの北澤マーケティング部長は、「まずは、現在導入している端末がどう活用されているのかを把握することが大事。当社では、業務診断サービスや効果検証サービスを提供している」として、タブレット端末の有効活用につながるサービスを紹介した。

左から、谷畑良胤『週刊BCN』編集委員、インフォテリアの松村シニアプロダクトマネージャー、システム・テクノロジー・アイの松岡社長、ソフトバンクBBの北澤マーケティング部長