産業見本市を企画・運営するリード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は、10月29~31日の3日間にわたって、IT関連の専門展示会「Japan IT Week 2014 秋」を千葉・幕張メッセで開催する。秋開催専門の展示会として5回目を迎え、出展社数は430社(前回は319社)、来場者数は3万2000人を見込んでいる。「Japan IT Week 秋」は、製品・サービスを披露する場としてよりも、商談の場として利用する傾向がある。出展社数と来場者数が毎年増えていることもあって、秋の商談イベントとしてのイメージが定着しつつある。(取材・文/佐相彰彦)

商談できることが「Japan IT Week 2014 秋」に出展するメリット話題のキーパーソンが登壇
複数の専門展示会の併催で、日本最大クラスのIT展示会として注目度が高い「Japan IT Week」。秋の開催は今年で5回目を迎え、昨年の秋と同様、7種類の専門展示会を用意している。開催される専門展示会は、クラウド関連の製品を披露する「クラウドコンピューティングEXPO 秋」をはじめ、情報漏えい対策から認証取得支援サービスまでを網羅する「情報セキュリティEXPO 秋」、スマートフォンやタブレット端末などモバイルデバイスの製品・サービスを展示する「スマートフォン&モバイルEXPO 秋」、ウェブマーケティングのツールやサービスなどに焦点を当てる「Web&モバイルマーケティングEXPO 秋」、データセンター関連の「データセンター構築運用展 秋」、ビッグデータ関連の製品・サービスを具現化する「ビッグデータ活用展 秋」、インターネット上の決済システムなどを展示する「通販ソリューション展 秋」になる。

島田周平
事務局長 島田周平事務局長は、「秋は注目の分野に絞って専門展示会を開催している」という。7種類の専門展示会は昨年と同じ。変更して話題性をつくるよりは、「出展社や来場者にとってわかりやすくメリットのある展示会であることが重要」と、島田事務局長は考えている。
一方、基調講演は話題性のある業界のキーパーソンが登壇する。日本オラクルの杉原博茂社長兼CEO、セールスフォース・ドットコムの川原均社長兼COOの両者は、今年4月にトップに就任して話題となった。日本オラクルの杉原社長兼CEOが「これからのクラウド~オラクルの考える『クラウド』とは?~」、セールスフォース・ドットコムの川原社長兼COOが「グローバル カスタマー・サクセス プラットフォーム」と題して講演する。また、2014年を「エンタープライズクラウド元年」と位置づける日本マイクロソフトの講演では、樋口泰行社長が登壇する。
商談しやすい環境をつくる
「Japan IT Week」は、1年を通じて春と秋の2回にわたって開催している。春は、年度初めに予算を確保したユーザー企業に向けて出展社が製品やサービスを披露する場となっている。秋は、次年度に向けてIT導入を検討するユーザー企業を対象に案件を獲得するための布石の場となる。「出展社の商談を支援する」と、島田事務局長が説明するように、リード エグジビション ジャパンでは、「Japan IT Week」を通じて商談しやすい環境をつくることに力を入れている。
その一つが、ユーザー企業のニーズに合致する出展社との商談を調整する制度「事前アポイントシステム」だ。また、基幹システムや顧客データベースの刷新などで、構築プロジェクトを任されているユーザー企業の担当者と出展社をつなぐ「プロジェクト責任者ご招待」も設けている。出展社と来場者が商談という形式でコミュニケーションを図ることからも、案件につながる確率が高いといえる。
島田事務局長は、「今回も例年と同じように、『Japan IT Week』がIT業界を活性化する起爆剤になって欲しい」との考えを示す。リード エグジビション ジャパンでは、イベントを通じて、出展社の成長を下支えしていく。