産業見本市を企画・運営するリード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は、10月23~25日の3日間にわたって、IT関連の専門展示会「Japan IT Week 2013 秋」を幕張メッセで開催する。秋開催の展示会として4回目を迎える今回は、出展社数が380社と昨年と比べて1.4倍に膨れ上がる見込み。また、展示会の種類も一つ増えて7種の展示会を開くことになった。カバー範囲が広がった「Japan IT Week 2013 秋」の見どころはどこにあるのか。(取材・文/佐相彰彦)
「通販ソリューション展」を追加

島田周平
事務局長 「Japan IT Week」は、複数の専門展示会が集結した日本最大規模のIT展示会で、春と秋の2回にわたって開催されている。2009年までは春の1回だけだったが、出展企業の多くからの要望で2010年から秋にも開催するようになった。秋開催は今回で4回目となり、定例化したといっていいだろう。しかも、出展社数は昨年の1.4倍にあたる380社の予定で、来場者数は昨年実績よりも500人多い3万2000人を見込んでいる。この展示会の責任者である島田周平事務局長は、「秋は、ユーザー企業が次年度に向けてIT導入を検討する時期。出展社にとっては、案件を獲得するための布石になる」と説明する。
毎年、複数の展示会を同時に開催するのが「Japan IT Week 秋」の特徴だが、今回は、クラウド関連の製品を披露する「クラウドコンピューティングEXPO 秋」、情報漏えい対策から認証取得支援サービスまでを網羅する「情報セキュリティEXPO 秋」、スマートフォンやタブレット端末などモバイルデバイスの製品・サービスを展示する「スマートフォン&モバイルEXPO 秋」、ウェブマーケティングのツールやサービスに焦点を当てる「Web&モバイルマーケティングEXPO 秋」、データセンター関連の「データセンター構築運用展 秋」、ビッグデータ関連の製品・サービスを具現化する「ビッグデータ&データマネジメント展」に加え、インターネット上の決済システムなどを展示する「通販ソリューション展 秋」を新設した。島田事務局長は、「通販ソリューションは、今年春に初めて開催して非常に好評だった。実店舗とネット通販の連携などが注目されていることから、秋にも開催することになった」としている。
案件につながる仕組みを提供
「Japan IT Week 秋」は、他の展示会と同じく、出展企業が最新技術を駆使した製品・サービスを披露する場であるが、もう一つの目的として「出展企業への商談の場を支援する」(島田事務局長)ことを掲げている。ユーザー企業のニーズに合致する出展企業との商談を調整する制度「事前アポイントシステム」を設けているほか、とくに好評なのが「プロジェクト責任者ご招待」だ。この企画は、基幹システムや顧客データベースの刷新などで、構築プロジェクトを任されているユーザー企業の担当者と出展企業をつなぐもの。出展企業にとっては、「現時点で稼働している」「直近で稼働する予定」などのユーザー企業と商談できるため、「案件につながりやすい企画に仕上がっている」と、島田事務局長は自信をみせる。
ほかにも、専門セミナーでは「クラウドコンピューティングEXPO 秋」でEMCジャパンとシトリックス・システムズ・ジャパン、「情報セキュリティEXPO 秋」でシスコシステムズと日本ヒューレット・パッカード、「Web&モバイルマーケティングEXPO 秋」でLINEやTwitter Japan、「データセンター構築運用展 秋」でさくらインターネットとSTNet、「ビッグデータ&データマネジメント展」でカルチュア・コンビニエンス・クラブとリクルートテクノロジーズ、「通販ソリューション展 秋」でヤマトグループとオルビス、といった有力企業のキーパーソンがそれぞれ登壇して特別講演を行う。とくに、「スマートフォン&モバイルEXPO 秋」ではグーグルの香村竜一郎執行役員と日本スマートフォンセキュリティ協会の西本逸郎理事事務局長がそれぞれ基調講演で登壇する。「Japan IT Week 2013 秋」の開催まで残り約1か月となった。徐々にではあるが、ユーザー企業によるITに対する投資意欲が高まりつつあるなか、「『Japan IT Week 2013 秋』によってIT業界が活性化し、出展企業の成長につながってほしい」としている。