NTTコミュニケーションズ（NTT Com）とBCNは、「国産クラウドの力をパートナーとともに伝えます」をテーマに、セミナー「第3回 Cloud Sales Camp」を東京・大手町サンケイプラザで共催した。NTT Comのクラウド「Bizホスティング Enterprise Cloud」と「Bizホスティング Cloudｎ」の魅力を、外部有識者とNTT Com担当者、パートナーがそれぞれの視点で紹介した。（取材・文／木村春生（フリージャーナリスト））

ベンダーはユーザーの不安を解消すべき　クラウドの未導入は後悔につながる

　基調講演では、アイ・ティ・アール（ITR）の甲元宏明プリンシパル・アナリストが登壇。「国内ユーザー企業のクラウド活用動向とクラウド・ビジネス拡大のためのポイント」と題して、国内ユーザー企業のクラウド活用状況を紹介した。

　甲元プリンシパル・アナリストは、クラウド・コンピューティングが国内企業にとってあたりまえのものになるなかで、大企業や中堅企業はハイブリッドクラウドが、中小企業はパブリッククラウドがそれぞれ主流になるとした。そして、ITベンダーがクラウド・ビジネスで成功を収めるためのポイントについて解説したうえで、「まだクラウドを活用していないユーザー企業に対して、『資産を保有しなくて済むこと』『コスト削減』『運用工数削減』を訴求することに加え、『セキュリティ』『サービス継続性』『障害時の対応』への不安を払拭することが重要である」とした。

　さらに、「ほとんどのITインフラ関連のテクノロジーのイノベーションはクラウド領域で発生し、それを使いこなすには多くのノウハウが必要。クラウドに本腰を入れない企業は、数年後に大きな後悔をすることになる」と訴えた。

　セッション1では、NTT Comの畑貴之・第五営業本部営業推進部門主査が「今だからこそ選ばれる、NTTコミュニケーションズのクラウドサービス。その秘密はパートナープログラムにあった。」と題して講演。畑主査は、NTT Comが提供するクラウド基盤のBizホスティング Enterprise CloudとBizホスティング Cloudｎについて、それぞれの魅力を紹介し、2015年にリリースされる次世代クラウドについても触れた。

　次いで、昨年9月に開始した新パートナープログラムを説明。「新しいプログラムでは、Bizホスティング Enterprise Cloudに加え、BizホスティングCloudのOEM提供を開始することになった。また、営業提案に関するオンサイトサポートの実施などで、案件クローズまでを支援していく。さらに、技術情報のリアルタイム配信をはじめ、トレーニングサポートや共同セミナー、ウェブプロモーションによるリード創出など、セールスパートナーとのリレーション強化を推進していく」とアピールした。

　セッション2では、NTT Comのパートナー12社がリレー形式でソリューションを紹介する「ライトニングトーク」を実施し、自社の製品・サービスの強みを披露した。

パネルディスカッションで熱く議論　サポートを含めた日本品質が決め手

　最後のセッションでは、｢パートナーが語る　NTT Comのクラウドを選んだ3つの理由」をテーマにパネルディスカッションを行った。ウフルの杉山恒司・アライアンス担当部長、システムエグゼの豊嶋功・クラウドコンサルティング部部長シニアコンサルタント、レキサスの常盤木龍治・事業推進部エバンジェリスト、そしてNTT Comの林雅之・クラウドサービス部販売推進部門主査クラウドエバンジェリストの4人がパネラーになって活発な議論を展開した。

　NTT Comのクラウドを使う理由について、「国内企業は外資に不安を抱くユーザーもいる」「キャリア回線の安心感」「スキルの高い人材の豊富さ」「ネットワークを含めた一気通貫の充実サポート」などの声が挙がった。そのほか、小さなニーズも捉えてサービス開発してくれる、パートナーの営業に同行してくれるといった「泥臭いサポートをいとわない」ことを高く評価する声もあった。またクラウドビジネスを成功させるには、「システム構築の工程を可視化する」「事業企画の責任者がリスクを負う」「従来からの営業のしがらみを断つ」ということが必要で、クラウドビジネスを伸ばすキーワードとして「IoT」「HPC」「SDN」などを挙げた。

　セミナーには、SIerやISV、ディストリビュータなど、約100人が参加。多くの参加者が、自社のビジネスと組み合わせてビジネスを拡大できるかどうかを考えながら、各セッションを熱心に聞いていた。