JFEシステムズ(西崎宏社長)は、基幹系システムの刷新需要の高まりに応えるため、ERP(統合基幹業務システム)向けテンプレート群の拡充に力を入れている。この11月に製造業やエンジニアリング業などに向けた業種テンプレートをはじめ、財務会計や業務分析のテンプレート体系を一新。新ブランド「SIDEROS(シデロス)」として、顧客企業から見て分かりやすいようにERPテンプレート群を整理・統合した。

(左から)柏木良久部長、船尾哲也執行役員、伊深達哉部長

 主に取り扱っているERPパッケージは、SAPの「S/4HANA」と、日本マイクロソフトの「Dynamics 365」の2種類。両者の直近の販売金額の総額はほぼ同じで、販売本数ベースではS/4HANAに比べてDynamics 365が「2倍の開きもない程度」(船尾哲也・執行役員ERP・BI事業部長)だという。もともとS/4HANAは大企業向け、Dynamics 365は子会社など中小事業所向けをイメージしていたが、「割と規模が小さくてもS/4HANAを採用したり、逆に規模が大きくてもDynamics 365を選んだりと、両者の差は縮まってきている」と話す。

 JFEシステムズの新サービスブランドのSIDEROSでは、S/4HANAやDynamics 365向けの業種・業務テンプレートを体系化することで、「ユーザー企業がより導入しやすいサービス体系に仕上げた」(伊深達哉・ERP・BI事業部営業部長)。具体的には、「事業計画」と「業務実行」「将来の予測」の三つを順繰りに回していくことで、顧客のビジネスを成長させる仕組みを構築。中核部分にはERPを据えて、計画や実行、予測のそれぞれのパートで役立つオリジナルの業種・業務テンプレート群を充実させる。

 例えば、SAPのビジネスインテリジェンス(BI)ツール「BusinessObjects」をベースに、JFEシステムズが独自に開発したテンプレート「KPIMart(ケーピーアイマート)」を使うことで、「ビジネスの将来予測がより効率よくできるようになる」(柏木良久・ソリューション事業部営業部長)。また、「PSテンプレート」は、ERPとプロジェクト管理を一元管理し、主にエンジニアリング業界のプロジェクト実行管理や案件別の収益管理に役立つテンプレートとしてSIDEROSのメニューに加えた。

 今年度(2019年3月期)の業績を見ると、一般顧客向けのビジネスは前年度比7.0%増の152億円を見込む。成長のけん引役となっているのがERP関連ビジネス。親会社のJFEスチール向けのビジネスと並んで好調に推移していることから、今年度の全社の売上高、利益ともに過去最高を更新できる見通しだ。

 JFEシステムズは21年3月期までの3カ年中期経営計画で、連結売上高を18年3月期の403億円から460億円へ増やす目標を掲げている。ERPを軸としたSIDEROS関連ビジネスを伸ばしていくことで目標達成を目指す。SIDEROSは、古代ギリシャ語で「鉄」を意味するという。(安藤章司)