キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、EDI(電子データ交換)商材の刷新を着々と進めている。この1月には汎用データ変換ソフトのLinux OSへの対応を済ませるとともに、今春をめどにEDI運用管理ソフトのLinux対応を行う予定だ。これまで弱かったLinuxへの対応を強化することで、より大規模なシステムを運営する顧客ニーズを取り込めるようにする。

花澤健二
課長

 EDIソフト開発は、キヤノンITSがグループに迎え入れた旧蝶理情報システムと旧アルゴ21が強みとしていた分野。前者はメインフレームに対応するEDI、後者はWindows環境のEDIに力を入れていた経緯があり、「Linuxへの対応が遅れ気味だった」(花澤健二・プロダクトソリューション営業本部企画部企画課課長)。そこで、キヤノンITSのEDIソフト「EDI-Master」シリーズでは2018年3月から順次Linux対応を推進。この春までに「データ変換」「通信手順(プロトコル)」「運用管理」のEDI主要モジュールのLinux対応を済ませる予定である。

 EDI関連市場を巡っては、旧式のデジタル通信回線「ISDN」が24年1月にサービスを終了する見込みであることを受けて、インターネット回線への移行準備が本格化している。19年から商談が一段と活発化し、20~22年の3カ年の間でインターネット回線へ移行がほぼ完了するとキヤノンITSでは予測している。21年頃の“移行ピーク”時の国内EDI市場は年率7~8%程度で成長するとみられており、キヤノンITSは既存EDI製品のバージョンアップやLinuxへの対応強化を打ち出していくことで、「市場の伸び以上」の成長を目指す。

 EDIを使っている企業は20~30万社あり、すでにインターネット回線を使っているのは「そのうちの半分程度」(花澤課長)で、残り半分はISDNやアナログ回線など旧式の通信ネットワークを使っているとみられている。

 中規模の食品スーパーでも、100社程度のメーカーなどとEDIでつながっており、各取引先との交渉や調整が発生する。また、EDIを使っている業界も流通・小売りをはじめ、電子部品、化学、銀行、医薬、貿易、自動車部品と多岐にわたり、それぞれの業界のEDI標準に則してインターネット回線に移行していくためには、「少なく見積もっても3年ほどの時間が必要」だと考えている。

 「EDI-Master」シリーズの販売チャネルは、同業のSIerやEDI接続サービス事業者(旧VAN事業者)などを経由した間接販売が8割余りを占める。既存の業務システムとのつなぎこみが発生したり、取引先との接続検証、システム運用管理の構築などのSI業務も多く発生することが見込まれており、「キヤノンITSの総合力を発揮して販売パートナーの支援にあたる」。こうした取り組みにより、直近のEDI関連事業は年間20億円規模だが、22年には年間25億円程度への拡大を目指している。(安藤章司)