キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループは、2020年夏をめどに2880ラック相当の大型データセンター(DC)新棟を開業する。キヤノンMJは12年10月に同社初となる本格的な大型自社DC(2300ラック相当)を西東京地区に開業。20年をめどに満床の見込みとなったことから、第一期棟に隣接する第二期棟の建設を決めた。ユーザー企業の基幹業務システムや、キヤノンMJグループのサービス商材、BPOなどの運用基盤として活用する。

キヤノンITSの足立正親社長(右)と笹部幸博常務

 二期棟は、グループ中核SI会社であるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)の大口ユーザー企業の基幹業務システム運用基盤にするともに、キヤノンシステムアンドサポートが中心となって手掛ける地域の中堅・中小企業向けのサービス基盤として活用していく。経済産業省の「DXレポート」によれば、25年に向けて基幹業務システムの刷新機運が高まっており、こうした需要を確実に取り込んでいく。

 また、AIやIoTデータ分析といった高い計算能力が求められる数理分野のニーズも高まっていることから、二期棟では電源容量を一期棟の1.7倍に相当する2500万VAに増強。消費電力が大きいサーバーエリアを限定した上で、部分的にラックあたり数十kVAの超大容量の電源供給を可能としている。

 キヤノンMJグループが開発するERPの「SuperStream」や、個人向けのオンラインアルバムサービス、医療向けの医用画像クラウドサービス、セキュリティーの「ESET」、複合機と連携した中小オフィス向けIT支援サービスの「HOME」などの運用基盤の受け皿としても活用していく。ほかにも、大手クラウドベンダーに高規格DCに対するニーズが根強くあることから、一部同業他社への卸販売も予定している。

 大型自社DCの端緒となった一期棟では、当初、5年程度で完売することを見越していたが、結果的に完売まで7~8年かかる見込みとなった。二期棟では、販売ターゲットをより明確にした上で、開業の1年余り前となる今から営業活動を本格化。開業から5年後の「25年には完売のメドをつけたい」(キヤノンITSの笹部幸博・取締役常務執行役員)と意欲を示す。

 キヤノンMJグループは、21年12月期にITソリューション事業の売上高を2300億円(18年は1977億円)に増やす計画を立てており、このうち西東京DCの活用を柱としたストック型ビジネスの比率を「現在の約30%から35%に増やしていく。将来的にはITソリューションの事業規模を3000億円、ストック比率40%をイメージしている」と、キヤノンITS社長を兼務する足立正親・キヤノンMJ取締役常務執行役員は二期棟を成長への基盤と位置付ける。(安藤章司)