日本マイクロソフト(平野拓也社長)は、日本を含むアジア地域でのAIに関する調査結果と、オリンパスの「ICT-AIプラットフォーム」にMicrosoft Azureが採用されたことを発表した。

米マイクロソフト
ジャン・フィリップ・クルトワ
エグゼクティブバイスプレジデント

 米マイクロソフトのジャン・フィリップ・クルトワ・エグゼクティブバイスプレジデント兼プレジデント グローバルセールス マーケティング&オペレーションは「最も注目を集めている技術がAIだ。企業や社会に対して重要な役割を果たすと期待されている。マイクロソフトは25年にわたってAIに取り組んできた」と話した。さらに、同社とIDC Asia/Pacificと共同で実施した調査では、日本のビジネスリーダーの約73%が、3年後の企業競争力においてAIが重要であると認識していることが分かった。それを踏まえクルトワ・バイスプレジデントは「企業のデジタルトランスフォーメーションの旅路をAIで支援していく」と語った。

 具体的な活用事例として紹介したのが、オリンパスの事例だ。オリンパスはIoTサービス「OLYMPUS Scientific Cloud」の基盤にMicrosoft Azureを採用。各種センサーや非破壊検査用デバイスなどをクラウドに常時接続することで、ソフトウェアのシームレスな更新や大量データのバックアップ、データの可視化などを可能にした。今後は共同作業や予兆保全、データ保護にも活用する予定だ。

 マイクロソフトの深層学習フレームワーク「CNTK」を用いて、工業用内視鏡で撮影したジェットエンジン内部の画像から、損傷の有無や損傷箇所を自動検知するプロジェクトも展開中だという。このほか、手術効率の向上と専門性の高度化を実現する遠隔医療支援ソリューション「MedPresence」では、Azureの活用によって、医療機関に求められる高いITセキュリティーを実現したとしている。

 オリンパスでは米マイクロソフトの研究開発部門と連携し、最新テクノロジーを導入。米国や欧州のMicrosoft Consulting Servicesと連携し、最新事例から得た知見をもとに、幅広いプロジェクトを展開していく。

 オリンパスの小川治男・取締役専務執行役員兼技術開発部門長は「オリンパスの製品だけではユーザーの要望の全てに応えることができない。しかし、ICTやAI、ロボティクスといった新たな技術を加えることで課題を解決できる。マイクロソフトとの協業にはそうした背景がある」と説明した。

 最後に、日本マイクロソフトの平野社長は、国内でのAI展開について説明した。「AI活用を促進するために、AI人材の育成、テクノロジー&コンサルティング支援、社会変革支援をパートナーとともに実践していく」と話し、2020年までにAIを含めたAzureのエンジニアを10万人育成するほか、ディープラーニングコミュニティ「DEEP LEARNING LAB」の参加者数を1万人に増やす計画だ。(山下彰子)