ABEJA(岡田陽介社長)は、3月5日に会見を開き、直近の取り組みや今後の事業戦略について説明した。

岡田陽介
社長

 ABEJAは、ディープラーニング技術を活用したアプリケーション開発のためのPaaS型プラットフォーム「ABEJA Platform」などを提供する。現在、ABEJA Platformは150社以上の運用実績がある。直近の市場動向について岡田社長は「AIに関しては発展途上の部分が大きい。だからこそ、私たちはAI分野に強く踏み込み、推進を支援したい」と意気込みを語った。直近1年間ではサイバーエージェント、SAPジャパン、三陽商会、RPAテクノロジーズなどと協業。ABEJAはグーグルから資金を調達を受けた。

 19年度の活動指針として掲げたのが、「AIの民主化」「ポストAIの推進」「グローバル展開」の三つ。AIの民主化では、エンジニアではない人でも気軽にAIを使えるようにすることを目指す。その第一歩として、AI開発の初期仮説検証が簡単にできる「ABEJA Platform Accelerator」のα版の試用を開始した。学習に必要な画像などのデータをアップロードし、あらかじめ用意しているAIモデルでデータを学習させることができる。これにより、従来はコストがかかっていた検証のためのプロセスを簡略化することが可能になる。なお、3月時点で利用できるAIモデルは画像のクラス分類と画像の物体検出の二つだ。

 ポストAIの推進では、次世代のテクノロジーを探究する研究開発プロジェクト「ABEJA X」を始動させる。第1弾として、量子コンピューターのソフトウェア開発に向けた研究に着手する。また、19年4月設立予定の、研究機関や企業による「量子アニーリング研究開発コンソーシアム」(仮称)に参画する予定だ。AIの運用開発基盤としてABEJA Platformを提供し、外部の開発者とともに、機械学習の実装を加速させるサービス(MLaaS)を拡充し、新たなビジネスが数多く創出されるよう支援する。

 グローバル展開では、17年3月にシンガポールに設立した子会社のABEJAシンガポールを拠点に、シンガポールの大手鉄道会社SMRTと交通機関産業におけるマネジメント領域において協業。ディープラーニングを活用した研究開発を進める。今後は日本で培った経験をもとに、ABEJA Platformを活用し、シンガポールを中心とするASEAN諸国においてインフラ、製造業中心にプラットフォームの普及、拡販を進めていく。(山下彰子)