データセンター(DC)への投資が拡大している。世界各地に展開したDCを太い通信ネットワークで結んだIT基盤サービスの需要は衰える兆しがなく、投資した分だけ需要が生まれる状況だ。

需要増に応えるための資金調達に追われる

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2018年度に東京、インドのムンバイとバンガロールの3カ所でDCを開設した。さらに19年度には、大阪2カ所、英ロンドン、独フランクフルト、蘭アムステルダム、米東部のバージニア州の6カ所、20年度には米西部のカリフォルニア州にDCを新設する計画を進めている。

 DC大手の米エクイニクスは、約80億円を投じて日本国内で12カ所目となる都内DCを今年4月に開設。この新しい東京DCは、東京湾岸の有明地区に、まずは1000ラック相当の規模で開業。段階的に拡張して最終的には2800ラック相当の大規模なDCとなる。

 また、NTTコムは、5G(第5世代移動通信システム)やAI、IoTなどによるデータ活用の拡大を見据え、世界の通信ケーブル容量を従来の1.5倍に相当する毎秒16.6テラビットに増強。直近で20カ国・地域に展開するDCを結び、「データを安全に運ぶためのインフラの整備に力を入れている」(NTTコムの庄司哲也社長)。現状のNTTコムでは、音声・データ通信が6割弱、その他の非通信領域が4割強という売上構成だが、25年に向けて、この比率を逆転させるイメージを描く。DC基盤はそのための投資でもある。

 課題は、DCやネットワークへの投資が、ますます巨額になっていること。エクイニクス・ジャパンの古田敬代表取締役は、「一企業で調達できる資金には限りがある」と、需要増に資金調達が追いつかない状態だという。ユーザー企業向けにDC設備を貸し出すコロケーションやプライベートクラウド需要のみならず、大手パブリッククラウドベンダーの需要も旺盛だ。こうしたニーズに応えるため、世界の主要都市にDCを展開し、常に新しい設備投資を続けていくには数千億円から一兆円規模の資金調達が必要とも言われている。

 NTTグループは、海外事業の再編のタイミングに合わせてDC投資を専門的に行う新会社を設立。NTTコムをはじめとする事業会社が個別にDCに投資をする従来型の方式を改め、DCの建設・保有をDC投資会社で一元的に行う体制に切り替えた。

 投資一元化によって、規模のメリットを追求するとともに、NTTグループの不動産・ファイナンスに関する知見を結集して、投資効率を一段と高めるのが狙いだ。DC投資会社にはNTTコムやNTT都市開発、NTT持ち株、NTTファイナンスが出資しており、19年度から順次、DC投資会社によるDC建設を進めることで、巨額化する投資規模に対応していく。(安藤章司)