NTTコミュニケーションズ(NTTコム、庄司哲也社長)は、最新技術の検証や実証実験を行う「Nexcenter Lab(ネクスセンターラボ)」を首都圏に開設した。ネクスセンターラボは、日本と欧州、ASEANの5カ所に開設済みで、国内では首都圏にあるNTTコムのデータセンター(DC)内に開設した。世界の主要ベンダーが持つ最新技術を提供してもらい、NTTコムのDCやネットワーク上で稼働。世界各地に展開するネクスセンターラボとつないで「グローバル規模で有効かどうかを検証してもらう施設」(森林正彰副社長)と位置付ける。

右からNTTコムの飯田健一郎部長、EMCジャパンの日下幸徳上席執行役員、
NTTコムの森林正彰副社長、HPEの五十嵐毅執行役員、レッドハットの岡下浩明本部長

 国内で協賛を決めているベンダーは日本ヒューレット・パッカード(HPE)やDell EMC、レッドハットなど20社余り。HPEの五十嵐毅・執行役員ハイブリッドIT事業統括は「最新アーキテクチャーのメモリー主導型コンピューティング(MDC)の実用化に向けた取り組みを加速させる」として、ネクスセンターラボでのユーザー企業の実証実験に意欲を示す。MDCの欧州での医療分野の科学技術計算への応用では、従来比6割の電力削減と約100倍の分析速度の向上を成し遂げている。

 Dell EMCは、水冷式のGPUサーバーをネクスセンターラボに持ち寄ることを検討している。GPUは近年ニーズが高まっているAI(人工知能)演算で高い処理能力を発揮するが、一方で発熱が課題になっている。

 EMCジャパンの日下幸徳・上席執行役員NTT営業統括本部長は、「発熱が大きいためラックに数台しかGPUサーバーを設置できない例もある」と話す。熱対策としてDell EMCでは水冷式のGPUサーバーを開発しているが、水冷設備のあるDCは限られているのが現状だ。ネクスセンターラボでは水冷設備を備えていることから、「水冷式GPUサーバーの動作検証も検討項目の一つ」(NTTコムの飯田健一郎・クラウドサービス部長)としている。

 レッドハットの岡下浩明・製品統括・事業戦略担当本部長は「GPUに最適化されたOpenShiftコンテナプラットフォームによってAIの効果的な利用を促進していく」考えを示した。

 開設済みのネクスセンターラボは、東京、独ベルリンとフランクフルト、オーストリア・ウィーン、マレーシア・サイバージャヤで、現在開設準備中のタイ・バンコク、英ロンドン、オランダ・アムステルダム、スイス・チューリッヒ、スペイン・マドリードを含めれば計10カ所となる。今後、米州でも同ラボ開設を検討する。

 ネクスセンターラボでは、ユーザー企業向けの新技術や新サービスの実証実験だけでなく、ベンダー間の相互接続性の検証、さらには世界20余りの国や地域にDCを展開しているNTTコム自身の技術開発にも生かしていくことで、DCサービスの競争力を高めていく。(安藤章司)