ワンビ(加藤貴社長)とさくらインターネット(田中邦裕社長)は、両社の従来サービスを融合させたセキュアで低コストなモバイルPC向け情報漏えい対策の新サービスを今年8月をめどに発売すると発表した。1ライセンス当たりの年間サービス利用料は税別1万530円となる見込みで、2020年度(21年3月期)末までに3万ライセンス以上の販売を目指す。

 新サービスは、ワンビのモバイルPC向け情報漏えい対策製品「TRUST DELETE prime」と、さくらインターネットがIoT/M2M向けSIMサービスとして提供している「さくらのセキュアモバイルコネクト」を組み合わせた。TRUST DELETE primeは、モバイルPCの盗難・紛失時の情報漏えいや不正使用を防ぐための製品。PCの用途に応じた監視ポリシーを管理サーバーで作成して端末に配布し、ポリシーに違反した端末を自律制御でロックする。そのまま一定時間が経過するとドライブを完全消去するほか、紛失時には管理者が遠隔で端末のロックやデータの消去を行うことができ、フルワイプ方式でドライブ上の全データを復元不可能な状態で消去する。リモートロックやデータ消去命令の発行はユーザー自身がスマートフォンアプリでも実行でき、24時間365日対応のワンビのコールセンターにデータ消去命令の発行などを依頼することも可能だ。
 
ワンビの加藤貴社長(左)とさくらインターネットの田中邦裕社長

 一方、さくらのセキュアモバイルコネクトは、SIMからさくらインターネットのデータセンターまでLTE閉域網で通信できるIoT/M2M向けのセキュアな通信サービス。通信速度制限もなく、安価で快適な通信を実現したという。国内3キャリアのサービス提供エリアやバンドに対応し、マルチキャリアでの通信ができるのも特徴だ。

 新サービスは「TRUST DELETE prime with さくらのセキュアモバイルコネクト」というサービス名で販売する予定だ。LTE対応PCに同サービス専用のSIMを挿しこむことで、TRUST DELETE primeの管理サーバーと端末間の定期通信にさくらのセキュアモバイルコネクトの閉域網が利用できるようになる。

 ワンビの加藤社長は、「従来サービスではモバイル通信サービスを利用しているが、より安全でコストも抑えたサービスになる。働き方改革の一環でテレワークが一般的になりつつある中で、モバイルPC向けのセキュリティソリューションそのものがここ2~3年で急速に成長しているが、その流れを新サービスでさらに加速させられると考えている」と手応えを語る。

 また、同サービスの利用にはLTE対応のPCが必須だが、「PCメーカーの調査では、LTE対応のノートPCを導入予定、または関心がある法人ユーザーは85%に上るという結果も出ている」(加藤社長)として、市場の潜在的な可能性に期待を寄せる。

 さくらインターネットの田中社長も、本来はIoT/M2M向けサービスであるさくらのセキュアモバイルコネクトの新しい用途を開拓する動きとして、今回の協業は大きなきっかけになるとみている。田中社長は、「メインの通信回線ではなくても、何かあった時のための保険のような使い方で、さくらのセキュアモバイルコネクトを使っていただく効果は大きい」とアピールする。(本多和幸)