ベリタステクノロジーズのバックアップアプライアンスが好調だ。昨年、大型案件を獲得したほか、国内主要パートナーであるNECがアプライアンス製品の販売を開始したことで、2018年度のアプライアンス売上げは前年比145%の大幅増となった。大江克哉社長は、「ITインフラの変化が年々加速しており、数年先を見越した形でデータ保護ソリューションを設計・構築するのが困難になりつつある」と述べ、導入工数を大幅に減らせるアプライアンス製品が顧客とパートナーの両者から好評を得ていると説明する。

 日本市場では従来、国内メーカーのサーバーに組みこまれた形で販売される、OEM形態のビジネスが大きな割合を占めていた。これに対してアプライアンス製品は、ハードウェアとソフトウェアの両方がベリタスから提供される。NECは、ベリタスの主力バックアップソフト「NetBackup」のOEM販売で国内首位のパートナーだったが、そのNECがアプライアンス製品の販売を開始したことから、国内パートナーも自社サーバーにこだわることなく、顧客への素早い価値提供に軸足をシフトしつつある様子がうかがえる。

 また、大江社長によると、パートナー営業担当者の一部をハイタッチ営業へと転換したことも、好調な販売につながっている。ベリタスの営業担当者が、OEMパートナーと共に顧客の元へ訪問し、製品価値をより明確に伝えられるよう体制を整えているという。

 同社は7月、数々の製品群をAPIで連携させる新コンセプト「エンタープライズ・データサービス・プラットフォーム」を発表した。バックアップ/リカバリに加えて、オンプレミスとクラウドのストレージを抽象化し、統合管理を可能とする「InfoScale」や、企業が抱える大量のデータを分析し、意図しない個人情報の保存や、長期間使われていないデータによるストレージの圧迫を指摘するデータインサイト製品の訴求を強化する。

 テクノロジーセールス本部を統括する高井隆太常務は、「仮想化基盤やパブリッククラウドを含めて、『データを格納するインフラ全体を可視化をしたい』『データがコンプライアント(法令遵守された)である状態を永続的に維持したい』というニーズは非常に強い」と話す。今後はデータ管理のソリューションやコンサルティングサービスを伸ばし、19年度の国内ビジネスは2ケタ成長を目指す。(前田幸慧)