Coltテクノロジーサービス(日置健二・代表取締役社長アジアCCO兼アジア代表)のアジア太平洋地域での売り上げが順調に伸びている。日本国内での売り上げを「10」とすれば、その他アジアは「3」を超える規模まで拡大。5年前までは「日本以外のアジアの売り上げはわずかな状態」(日置社長)だったが、データセンター(DC)や通信ネットワークをアジア主要都市に拡充し、ユーザー企業のアジア市場における需要の取り込みに力を入れたことで売上増につなげた。

日置健二社長

 アジア市場は、韓国や香港、シンガポールを主軸としており、今年に入ってからはオーストラリア・シドニーに自前の通信ネットワークを延伸させている。直近の売上高伸び率を見ると、すでにある程度の規模に達している日本国内は10%弱の伸びで推移しているが、「アジア市場では二桁成長を維持している」(同)と、国内を上回る勢い。ユーザー企業によるアジア成長市場への投資増や、大手クラウドベンダーといったITベンダーの利用が増加。近年では業務アプリケーションをSaaS方式で使うケースが増えていることなどが追い風になっている。

 日本法人の社長とアジア地域の代表を兼務する日置社長は、「アジア太平洋地域で最大市場である中国でのビジネスをどう伸ばすかにある」と、アジアビジネスにおける当面の課題を話す。中国市場は規制が厳しく、英国に本社を置くColtグループが強みとする自前の通信ネットワークを敷設して、独自性の高いネットワークサービスを提供するには超えなければならないハードルが少なくないという。

 日置社長は「重要なのは顧客体験。Coltグループが世界で提供しているサービスを中国でも提供できるようにすること」と指摘。DCや通信ネットワークなど中国の規制を順守しつつ、グローバルと同等のサービス水準を維持することはできると見る。この数年間、頻繁に中国に通って「顧客体験」の可能性を探ってきた結果、向こう数年のスパンでの実現の感触を得つつあるという。

 国内のビジネスに目を向けると、千葉県にある印西DCの第3棟目が2020年秋に竣工予定であるのに加え、京都府精華町に大型DC用の土地を確保し、22年をめどに国内での自社運営のDCとして5番目となる大型DCの開業を予定している。自社運営の通信ネットワークは、今年8月、京都エリアに拡張するとともに、9月には神戸まで延伸。首都圏に加えて関西地域でのビジネスの拡大に力を入れている。販売面ではSIerをはじめとする販売パートナー経由での売り上げが直近では約3分の1を占めているが、「今後はより一段とパートナー経由での販売比率を増やしていく」と、パートナー向けの技術や営業の支援に一層注力する方針だ。(安藤章司)