インターネットイニシアティブ(IIJ、勝栄二郎社長)は、愛知県瀬戸市で高齢者などの見守りサービスや、災害発生時に支援が必要な人の情報を自治体や消防救急と共有するサービスを始めた。IIJと瀬戸市、瀬戸旭医師会の3者が協定を結んで、まずはユーザーの冷蔵庫にセンサーを取り付けるなどした見守りサービスをこの10月からスタート。消防救急との情報共有は、実証事業を経て2021年10月をめどに本格稼働を目指す。

左から瀬戸旭医師会の鳥井彰人会長、瀬戸市の伊藤保德市長、IIJの北村公一専務

 瀬戸市では、IIJの医療・介護連携の「IIJ電子@連絡帳サービス」をベースに、医療・福祉対象者と病院・支援組織などをつなぐ「瀬戸旭もーやっこネットワーク」を構築しており、今回はこのもーやっこネットと連携する見守りサービス「もーやっこサポート」事業を月額税込980円で始めた。冷蔵庫の開閉を検知するセンサー情報をセンターに集約し、異常が検知されたときはユーザー宅に安否確認の電話をかける。つながらないときは事前に登録した家族に連絡し、家族とも連絡がつかない場合は瀬戸市が対応する。

 「医療・介護連携システムをベースとして、本人や家族による自助と、自治体による公助を組み合わせた見守りサービスは瀬戸市が全国でも初めて」と、IIJの小椋大嗣・ヘルスケア事業推進部上級コンサルタントは話す。

 また、消防救急との情報共有では、地震や台風のとき、どのユーザーがどのような支援を必要としているのかを消防救急側から参照できるようにする。多くの自治体では要支援者のリストをまとめた災害時の支援台帳を作成しているが、情報が古くなりやすい課題があった。瀬戸市のケースでは、もーやっこネットから最新の情報を随時取り込んでいるため、常に最新の情報をもとに災害時の対応が可能になる。

 瀬戸市の伊藤保德市長は「高齢化が進むなか、ずっと住み続けたい町でありつづけたい」と今回の協定の狙いを話す。瀬戸旭医師会の鳥井彰人会長は、「瀬戸旭もーやっこネットワークを一層成長させていきたい」と抱負を語る。IIJの北村公一専務は「瀬戸モデルを全国に展開していきいたい」と話した。ベースとなっているIIJ電子@連絡帳サービスは、愛知県内の46市町村を中心に全国65市町村で活用されている。「もーやっこ」は地元の方言で「分け合う」という意味。(安藤章司)