シスコシステムズ(デイヴ・ウェスト社長)は、今年度(2021年7月期)の重点施策として、既存の5G(第5世代移動通信)関連の通信キャリア向けビジネスに加え、社会課題の解決や、企業向けの5G活用ビジネスの裾野を一層広げていく。通信需要全般を見渡すと、リモートワークの普及拡大や東京五輪の開催などで、「5Gを軸とする無線通信の需要は引き続き拡大する」(鈴木和洋会長)とともに、企業や自治体が独自に導入可能なローカル5Gをはじめ業務分野での5G技術の活用が一段と加速すると見ている。

鈴木和洋 会長

 同社は昨年度から、国や地域ごとの社会課題に注目し、デジタル技術で解決に結びつける取り組みを行っている。自治体と連携したスマートシティや教育のデジタル対応、中小企業の働き方改革、IoT、ローカル5G活用といったテーマごとに、さまざまなユーザーやビジネスパートナーと協業している。今年度も引き続き、社会課題の解決に向けた活動に力を入れる。この11月からは5G基地局の機能やWi-Fi接続、デジタルサイネージ、各種センサーを搭載した多機能スマートポールの実証実験を東京都と行う予定だ。

 また、「4Gに比べて5Gは、企業活動とより密接な関係にある」(ウェスト社長)とし、企業向けの5G活用ビジネスにも一段と注力する。社内の情報セキュリティはもとより、リモートワークを念頭に、どこで仕事をしても安全なネットワーク環境を実現したり、オンプレミスとクラウドのシームレスな接続など、柔軟性あるネットワーク構築を重視する。中堅・中小企業向けの主な商材ではVPNやSD-WANの機能を実装したCisco Merakiシリーズ、大企業向けでは運用の自動化機能などを実装したCisco DNAシリーズなどを軸に据える。
 
デイヴ・ウェスト 社長

 5G活用による高速化、ネットワーク運用の自動化、ローカル5Gなど企業独自の活用とった需要に的確に応えていく。「安全で弾力性に富んだネットワーク基盤を提供する」(同)ことでビジネスの拡大につなげていく。(安藤章司)