NECは11月30日、森田隆之・副社長兼CFOが来年4月1日付で社長兼CEOに、新野隆社長兼CEOは代表権のある副会長に就くと発表した。同日、オンラインで記者会見を開き、森田体制では「グローバルレベルでの革新をリードし、日本を代表するテクノロジーカンパニーになる」(森田副社長)として、グローバル市場での成長にフォーカスする方針を鮮明にした。

4月1日付で社長に就任する森田隆之副社長(右)と、同日付で副会長に就く新野隆社長

 森田副社長は1983年、東大法学部を卒業後、NECに入社。海外事業部門でキャリアをスタートし、米国駐在中の90年にはNECとして最初の本格的なグローバルM&A案件を手掛けた。以降、PC事業におけるレノボとの合弁事業、アビームコンサルティングや光海底ケーブルメーカーのOCCへの投資、米ネットクラッカーの買収など、同社のポートフォリオの変革に携わってきた。2011年からは海外事業の責任者として赤字事業の再生や海外でのセーフティ事業の立ち上げなどを主導。18年、経理・財務部門を経験せずにCFOに就任し、今年度(21年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2020」で示された営業利益率5%などの目標達成に向け、収益構造改革の実行を担った。

 NECの強みについて森田副社長は「R&Dに年間1100億円投資しており、特に、AI、ネットワーク、バイオメトリクスなどで世界的にもユニークで一流の技術を持っている」と強調。これらを有効に活用し、デジタルガバメント、デジタルファイナンス、5Gといった注力領域で「グローバルな競合と戦って優位性を確保していく」という。

 新野社長は「(中計2020で最低限達成すべきと考えていた)営業利益率5%についてはほぼ見えてきた」として、自身が進めてきた構造改革と収益改善で一定の成果を得たことが社長交代の理由だと説明。森田副社長については「今までつきあってきた中で一番頭がいい人。考え方が非常に論理的で、スピーディーに結論を出せる。経営環境は今後も非常に激しい変化が予想されるが、次期経営計画の実行を担うのに最もふさわしい」と評価した。(本多和幸)