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NEC 日本初、米AWSとコーポレートレベルの戦略的協業 マルチクラウドの方針は堅持
2020/12/03 16:01
週刊BCN 2020年12月07日vol.1853掲載
NECと米AWSは11月13日、コーポレートレベルの戦略的協業契約を結んだと発表した。日本では初の事例だという。両社は共同で、公共や金融、医療業界向けのマネージドクラウドサービスの強化や基幹系を中心とした業務アプリケーションのモダナイゼーション提案メニューの開発、NECグループのAWS認定資格保有者の増強に取り組む。NECはこの協業をクラウドビジネスでの差別化につなげたい意向だが、一方で自社のクラウドサービス強化や「Microsoft Azure」などAWS以外の大手クラウドサービスを活用した提案も継続し、マルチクラウドの方針は堅持するとしている。(本多和幸)
今回の協業について、両社には共通の意図がある。大規模なミッションクリティカルシステムのクラウドシフトを含めて、官民を問わずDXにつながる情報システムのモダナイゼーションへのAWS活用を促し、ビジネス拡大につなげたいと考えているのだ。
具体的にはまず、公共や金融、医療業界向けにマネージドサービスを提供する。NECは、AWS上で稼働している第二期政府共通プラットフォームの運用管理業務の事業者に採択されており、こうしたノウハウを生かして業種ごとに最適化したサービスを開発するという。ISMAPやFISC、医療情報システムの安全基準に関するガイドラインなど業界特有の規制へのきめ細かい対応や、「ServiceNow」を使った統合運用管理などを強みとして押し出す。
また、NECは今年6月、自社11万人が利用しているSAPのERP製品をAWSに移行するプロジェクトを開始した。「SAPシステムのAWS移行プロジェクトとしては日本最大規模」(NECの吉崎敏文・執行役員)とするこの案件では、グループ会社であるアビームコンサルティングのリソースやノウハウも活用。これにAWSが世界中で積み重ねてきた知見も合わせ、大規模なミッションクリティカルシステムへのAWS導入に向けたコンサルティング・構築・マイグレーション・運用などの提案メニューを共同で開発する。
さらに、NECグループのAWS認定資格保有者を向こう3年間で現在の1500人から倍増させ、3000人規模のデリバリー体制を整える。アマゾンウェブサービスジャパンの渡邉宗行・執行役員パートナーアライアンス統括本部統括本部長は「グローバルで見ても非常に大規模なリソースを整備していただくことになる。日本はIT業界側が最新のテクノロジーを身につけないとクラウド市場は伸びない。NECがそこに力を入れてくれるのは非常に心強い」と話す。また、NECは今年4月、吉崎執行役員の管轄下にインフラのモダナイゼーションを担当するチームを150人規模で整備しており、AWSに対応する人員も増強する。
今回の協業により、NECはパブリッククラウドについてはAWSを最優先に提案することになるのだろうか。吉崎執行役員は、「全く違う」と語気を強める。マルチクラウド対応の方針は堅持し、自社のIaaSも強化しつつ、Azureや「Microsoft 365」などマイクロソフト製品の提案も積極的に行う。「それぞれのクラウドサービスを適材適所で活用するオファリングメニューを整備し、ベスト・オブ・ブリードの最適な提案につなげていく」としている。
NECと米AWSは11月13日、コーポレートレベルの戦略的協業契約を結んだと発表した。日本では初の事例だという。両社は共同で、公共や金融、医療業界向けのマネージドクラウドサービスの強化や基幹系を中心とした業務アプリケーションのモダナイゼーション提案メニューの開発、NECグループのAWS認定資格保有者の増強に取り組む。NECはこの協業をクラウドビジネスでの差別化につなげたい意向だが、一方で自社のクラウドサービス強化や「Microsoft Azure」などAWS以外の大手クラウドサービスを活用した提案も継続し、マルチクラウドの方針は堅持するとしている。(本多和幸)
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