デル・テクノロジーズは3月24日、記者発表会を開き、国内の中堅企業を対象としたIT投資動向調査の結果を公表した。その上で、中堅企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させることを目標に「DXコンサルティングエコシステム」を新たに構築し、オンライン相談会などの支援策を展開する方針を示した。

瀧谷貴行 上席執行役員

 調査は今年2月1日~3月5日、同社の顧客(従業員100人以上1000人未満)1500社を目標回答者数とし、企業動向やIT動向、セキュリティとリスク対策状況、製品・サービス、デジタル化、ニューノーマル時代に向けた動向と課題について、全83問のアンケートを実施した。

 瀧谷貴行・上席執行役員広域営業統括本部長は、調査結果の概要を説明し、「全社横断的な事業変革に着手している企業の51.7%が業績回復傾向にある」と述べた。さらに、約2割の企業がデータの可視化に着手していることを示し、コロナ禍を機に「多くの企業がDXへの意識を非常に強めており、データの可視化やデジタル化の必要性に気づき始めた」と語った。

 また、75.4%の中堅企業が、経営層からコスト削減を求められているとし、「事業改革に投資するために既存業務の最適化が求められており、業務プロセスの効率化やコスト削減と、ビジネスモデルの変革にむけた新たな投資を同時並行的に進めていくことが必要になっている」と指摘した。

 一方、デジタル化の障壁については「事業変革するべき領域の判断が非常に難しく、判断のための情報がデータ化されていない。また、多くの投資をすることはできず、コスト削減を同時並行的に進めるか、低コストに事業変革の検討をスタートするしかない」とし、DXコンサルティングエコシステムを通じて障壁の突破を目指す考えを示した。

 DXコンサルティングエコシステムは、同社と奈良先端科学技術大学院大学、同大発のベンチャー企業dTosh、DX専門のコンサルティング企業DN Technology & Innovation、中小企業診断士で構成し、今後、さらなる拡大を目指す。

 具体的な支援メニューでは、4月から中堅企業向け無料オンラインDX相談会を開催する。このほか、事業計画書支援や無料DXアセスメントの提供、定額制DXコンサルティングサービス、事業再構築補助金無料相談窓口の開設を予定している。

 瀧谷上席執行役員は「コストの面などから一部の中堅企業にとってはコンサルティングサービスのハードルは高かったが、DXコンサルティングエコシステムを通じて中堅企業のDXに特化した内容を適正価格で提供し、中堅企業への支援をさらに加速させていく」と語った。

 従来のパートナーエコシステムとの違いについては「今回の発表は上流のコンサルティング部分のエコシステムになる。DXにかかわる実施検討を進めていくに当たり、予測不能な部分はたくさんある。従来のパートナーエコシステムのソリューションを活用するケースは出てくると思う。構築やデリバリーをパートナーと進めていくことも想定している」と話した。(齋藤秀平)