富士通は製造業向けデータ連携プラットフォーム「COLMINA(コルミナ)」事業で脱炭素の支援を重点施策の一つに位置づける。原材料や部品の調達先から設計・製造、最終消費者に届ける輸送ルートまで可視化することで、どこを改善すれば温室効果ガスの排出量を減らせるかを明らかにする。世界の主要市場で脱炭素の政策を打ち出す動きが加速しており、「製造業にとって喫緊の課題」(大西俊介・執行役員常務)と認識。COLMINAのデータ共有プラットフォームの機能を活用し、製造業ユーザーの脱炭素を支援することでCOLMINA事業の拡大につなげたい考えだ。(安藤章司)
 
大西俊介常務

 製造業ユーザーの多くは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を自社が運営する工場単位では計算できても、サプライチェーン全体で把握するのは難しい実態がある。そこで富士通は、データ共有プラットフォームとしての機能を持つCOLMINAを活用し、原材料の製造や、完成品を輸送する際に発生する温室効果ガス排出量も可視化。「サプライチェーンのエンドツーエンドで脱炭素の状況を管理する」(山本有輝・COLMINA事業本部本部長)取り組みに力を入れる。
 
山本有輝本部長

 この7月には、山本本部長率いる「COLMINA事業本部」と横並びの組織で、輸送ルートの最適化支援などを行う「デジタルトランスポーテーション事業本部」を新設。コロナ禍の巣ごもり需要に象徴されるように、「これからは人が動くよりも、モノが一段と多く動く時代になっていく」(大西常務)ことを見越した施策だ。基幹輸送を担う陸運や海運から、末端の家庭や企業に届ける個別配送までのプロセスを最適化することによって脱炭素を支援。量子現象に着想を得たデジタル回路「デジタルアニーラ」による組み合わせ最適化の計算技術を応用する。