SaaS型BIソフト開発のドーモは、来年度(2023年1月期)に向けてビジネスパートナー経由の販路開拓に力を入れる。実績づくりのため直販中心で販売してきたが、「国内でも実績が増え、オンプレミス型のBIからSaaS型への移行が本格的に進むタイミングに差しかかった」(川崎友和・プレジデントジャパンカントリーマネージャー)ことから販売パートナー網の構築に取り組む。
川崎友和 プレジデント
BIは先行するベンダーが多数あるが、ドーモは10年に創業した当初からSaaS型でBIソフトを提供しており、「クラウドネイティブなBIの先行企業」(川崎プレジデント)として実績を積んできた。本年度上期(21年2-7月)の全世界での売上高は、前年同期比23.3%増の1億2288万ドル(約138億円)と大きく伸びた。国内でも、コロナ禍のリモートワークを経験し、「従来のオンプレミス型のBIからSaaS型へ移行する気運が高まっている」と手応えを感じている。
リモートワークと相性がよいSaaSは、コロナ禍の期間に世界中の企業で活用が進んだ。規模の大きい企業では70~80種類のSaaSを使い分けており、「SaaSの数だけデータが生まれ、分散する傾向にある」と説明する。ドーモのBIはこれら分散したデータをSaaS製品とのデータ連携によって統合的に分析できる強みを持つ。ビジネスパートナーにはSaaSを統合しデータ分析しやすいシステム構築を担ってもらうことも想定している。
また、ドーモのBIの特徴の一つに、従業員全員にビジネス分析の接点が持てるよう設計していることが挙げられる。現場の従業員が身近なデータを分析したり、他の部門のデータを参照したりすることで、「賢い従業員を増やすのに役立つBI」の機能を充実させている。現場の従業員がデータ分析を通じて新しい気づき、課題への対応力の強化につなげるなどして競合するBI製品と差別化を図り、ビジネスを伸ばす。(安藤章司)