大塚商会は横浜市に新たな物流拠点として「横浜物流センター」を開設した。オフィスサプライ通販事業「たのめーる」の受注量拡大に対応すべく、東京都板橋区の高島平物流センター、同大田区の東日本物流センターに続く首都圏第三の拠点を整備した形だ。大塚裕司社長は「最先端のマテハン設備を導入するなど、商品供給力の大幅な強化に貢献してくれると見込んでいる。こうした新しい基盤を有効に生かして、たのめーるの成長を加速させたい」と意気込む。
【写真上】開所式でのテープカット。大塚裕司社長(中央右)、
SBSリコーロジスティクスの若松勝久社長(左)、
SBSロジコムの鎌田正彦社長(中央左)らが参加
【写真中央】最新のロボットストレージシステム「オートストア」を導入
【写真下】配送方面別に梱包箱やコンテナを高速で自動仕分けする装置も備えた
横浜物流センターは、SBSリコーロジスティクスが10月に開所した「物流センター横浜金沢」を活用している。同社は約20年間にわたって大塚商会の物流におけるパートナーとして協業してきた。物流センター横浜金沢は、主にたのめーるの需要増に対応するために新設されたもので、同じSBSグループのSBSロジコムが建設を手がけた。「グループ間シナジーを生かしたプロジェクトとして約2年をかけて取り組んできた」(SBSリコーロジスティクス)という。
最新のロボットストレージシステム「オートストア」を2基導入しており、大塚商会の既存の物流センターと比較して3.5倍以上の保管効率を実現する。オートストアの導入では国内最大規模だという。また、デジタルピッキングシステムのステーション数は東日本物流センターの1.75倍に相当する28ステーションに拡張。さらに、出荷頻度に応じた在庫配置や各設備の稼働の最適化には「AIやビッグデータを活用している」(大塚商会)としている。
10月26日にはSBSリコーロジスティクスが物流センター横浜金沢の開所式を開き、大塚社長、SBSリコーロジスティクスの若松勝久社長、SBSロジコムの鎌田正彦社長らのテープカットで門出を祝った。当日、取材に応じた大塚社長は「大塚商会は自身がテクノロジーをフル活用してビジネスを伸ばしてきた。長年にわたって信頼関係を構築してきたSBSリコーロジスティクスやSBSグループとのパートナーシップによって、横浜物流センターにもそうした要素をふんだんに注入することができた」と手応えを語った。(本多和幸)