アイデンティティ管理製品を手がけるセイルポイントテクノロジーズジャパン(SailPoint)は、国内向けにパートナープログラムを開始した。既にグローバルで展開されているプログラムを日本市場にも適用するもので、パートナーの営業活動の支援を強化する。
同社は、ID・アクセス権のライフサイクル管理などを担うソリューション群「IdentityNow」を提供している。企業が利用するアプリケーションの数が増大する一方、アカウントの付与やアクセス権の設定といった作業は手作業に頼っているケースが多い。同社製品は企業内のすべてのID情報を集約することで、アカウントに関する管理業務の省力化・ガバナンス強化を図るとともに、AIを活用しリスクのあるアクセス権申請を検知できるのが特徴。
藤本寛社長は「複数アプリケーションのシングルサインオンの実現だけでなく、社員の入社から異動、退職までの適切な権限管理や、認可のセキュリティを強化したいというニーズが増えている」と説明。近年導入が進むSaaSだけでなく、既存アプリケーションのID情報も一元化しなければガバナンスの強化は図れないため、ユーザー企業の業務システムに精通したパートナーを獲得したい考えだ。
藤本 寛 社長
新たなパートナープログラムでは、ブロンズからプラチナまで4段階のパートナーレベルを設定し、上位のパートナーにはより大きなディスカウントや、SailPointのセールスエンジニアによる充実した支援体制を提供する。また、ライセンス販売とインテグレーションが別のベンダーによって行われることがあるといった日本市場の商流に合わせて、プログラム内容の最適化を行っている。
藤本社長は「今後は人間以外のIDの管理もきちんと行わないと情報漏えいにつながる」と話し、これからはBotなどの人に紐づかないIDにも気を配る必要があることを指摘。アイデンティティ管理製品の伸びしろは大きいとの見方を示した。(日高 彰)