サイバーセキュリティクラウドの2021年12月期売上高は前期比52.2%増の18億1700万円、営業利益は57.8%増の2億9700万円、純利益は26.4%増の1億6900万円、SaaSのARR(年間経常収益)は39.1%増の18億8300万円と好調に推移した。主力のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)サービスに加えて、20年に子会社化したソフテックの脆弱性管理ツール「SIDfm」で顧客獲得が進んだ。
同社ではクラウド型WAF「攻撃遮断くん」とパブリッククラウドのWAFを自動運用するサービス「WafCharm」を提供している。攻撃遮断くんでは、Webセミナーを積極的に展開したほか、タクシー広告などプロモーション活動の強化を図ったことが売上拡大の要因となった。
一方のWafCharmは、「AWS WAF」に加えて21年中に「Azure WAF」「Google Cloud Armor」にも対応した。企業がパブリッククラウドに移行する際、これらのWAFを同時に導入するケースが増加しているが、WAFはシグネチャの設定など運用負荷が高いため、運用リソースが乏しい企業を中心にWafCharmが利用されているという。
渡辺洋司 代表取締役CTO
SIDfmについて渡辺洋司・代表取締役CTOは「21年はマーケティング活動を強化したことで、顧客獲得が進んだ。今後、脆弱性管理市場は拡大していくことから、新規顧客獲得に注力する」と説明した。
今期はパートナーとの連携を強化する。具体的にはパートナー支援に特化した部門を新たに設ける予定だという。渡辺CTOは「地方企業や中小企業を開拓する上で、パートナーの力は不可欠だ。新規パートナーの開拓やパートナーが展開するサービスと当社のサービスをセット販売する施策などに取り組んでいく」と語った。
同社は、各パブリッククラウドにパートナーとして参画。現在は、パートナーランクの向上に取り組んでいる。特にAmazon Web Services(AWS)に注力しており、渡辺CTOは「今期中に最上位のパートナーランクに到達したい」と話す。
(岩田晃久)