独セロニスの日本法人Celonisは3月23日、2022年の戦略を発表した。村瀬将思社長は、日本企業の競争力強化と持続的な社会形成に貢献することを目指すと説明し、22年を「Data Execution（データを活用した業務の自動実行管理）の元年にする」と意気込みを語った。
 
　村瀬社長は、日本の労働生産性が3年連続で下降しているほか、幸福度指数が世界40位になっている現状を紹介。日本企業が進めているDX（デジタルトランスフォーメーション）についても、デジタル化にとどまっていると指摘し、「データを活用したビジネスモデルの変革と、実行を迅速にデジタルで提供するプラットフォームが必要になっている」と呼びかけた。

　その上で「プロセスマイニングとData Executionにより、人々の働き方を変え、持続可能性を担保し、人々と社会のパフォーマンスを無限大に開放することが、Celonisが提供する世界観だ」と示し、「われわれは、顧客企業の見えない非効率性を明らかにしながら課題解決を支援する。まさにDXの司令塔になろうとしている」と強調した。

　国内のビジネスをさらに成長させるために、村瀬社長は「日本企業・社会において、データを活用した『カイゼンを越えるビジネスモデルの変革』を推進するために『新しいビジネスオペレーション』を定義する」ことなどを22年のビジョンに設定し、通信・サービスプロバイダー、製造、金融サービスの大手企業に焦点を当てる方針を示した。

　さらに「パートナーエコシステムの存在は重要」と述べ、パートナー戦略にも力を入れるとした。国内のリセール＆デリバリーパートナーにNTTデータが新たに加わったことなどを明らかにし、すでに一定の成果は出ていることを示しつつ、今後はグローバルと国内の戦略的パートナーシップの強化をさらに進めると説いた。

　具体的には、パートナーとのジョイントビジネスプランの合意・推進に取り組むほか、パートナー内での「Celonis 事業本部」の設置を促す。「Celonis コンサルタント」の育成にも注力し、22年末までに現在400人の資格取得者数を1000人まで引き上げる目標を掲げた。
（齋藤秀平）