データ活用というと何をイメージされるだろうか。「ピンとこない」あるいは「AIやIoTを駆使した分析」など、高度なイメージされる人もいるかもしれない。例えば、筆者は自己紹介の時、下記のようなワードクラウドをよく使う。これは、名刺交換の履歴から自動抽出された自身と関係の深い業界・業種キーワードを示しているのだが、ビジネス面における自身の特徴をよく表している。名刺のような身近なデータから、経済指標や商談のような事業の行く末に影響するデータまで、実にさまざまなデータが存在している。この連載では、「データでつながる現場と経営」というテーマのもと、データ活用という山を解説したい。今回は、データ活用について状況を整理していく。
 
営業DXサービス「Sansan」で抽出されたキーワードデータ

 もともと小学校から高校までボーイスカウトに入っていた筆者は、週末になるとよくキャンプや登山に行った。ボーイスカウトでは「そなえよつねに」というモットーがあり、食料やナイフなどの装備はもちろん、火おこしやロープの結び方の技術や知識など、いかなる時も「そなえる」ことを徹底させられた。データ活用の山登りにおいてもデータからより高い価値を得るためには「そなえよつねに」の精神が重要なのである。備えることは、まず状況を見渡し把握することから始まる。

 データ活用の状況を把握するために現在の課題を尋ねると、「そもそもデータがそろっていない」という段階から「データはあるが、全社展開する上で必要な人材が不足している」など、顧客によってその状況はさまざまであり、一概に「こうしたらいいですよ」と解決案を提示できるものではない。データ活用から企業が成果を得るためには、システム、人材、知見、組織、文化など、さまざまな要素が必要となる。そして、その必要となる要素はデータ活用の取り組みレベルに応じておおむね決まる。