前回、オンラインサービスの導入には、CRMをはじめクラウド上で用意されたアプリケーション、SaaSなどを積極的に活用することがオススメであることを紹介したが、CRMなどはあくまでもサービスを提供する企業側のシステムであり、顧客との接点を持つサービスの場合、Webフォーム(アプリ)やコミュニケーションツールなど、フロントシステムと呼ばれるサービスが不可欠となる。フロントシステムについてもSaaS製品が多く提供されているが、企業が提供したいサービスを網羅的にカバーできるものは、まだ少ないといえる。例えば、広告ページの作成にCMS作成ツール、Webフォームにフォーム作成ツール、顧客連絡にチャットや電子メールツールといったように、異なる企業が提供するさまざまなサービスを比較検討して選定していく必要がある。
 
SupportTechカオスマップVer.2(2022.02)
(出典:モビルス)

 フロントシステムは企業の顔ともなるシステムであり、選定に十分注意が必要だ。使いづらいUIにより顧客の不満が増え、利用者が減ってしまう事態だけはなんとしても避けなければならない。サービスを提供する企業の担当者は、サービスに最適なUI、UXを実現できるSaaSを選択し、最高の顧客体験(CX)を実現しなければならない。そのためには、常に市場にあるサービスの情報にアンテナを張り、知識を深めていく必要がありそうだ。

オンラインの接客にもおもてなし

 こうした背景を受けて、当社は2020年11月に「おもてなしSuite」というフロントシステムに特化したSaaSをローンチすることとなった。オンラインでの接客を「見やすく、わかりやすく、安全に。」というコンセプトで入力フォームをカンタンに作成したり、顧客とチャットでコミュニケーションを取ったりするためのユーザーインターフェースが一つのサービスで全て用意できるというプラットフォーム型のSaaSとなっている。
 

 筆者自身もクラウド型のCRMを何回か導入した際、フロントシステムの調達に苦労した経験があり、こういった製品を切望していたという背景から自ら提供することとなった。銀行に在籍していたころは、入力フォームを作成したいと思い、大手ベンダーに依頼したところ、数千万円といった高額な見積もりが提示されたり、もっと安くできないかと簡易な入力フォーム作成ツールを検討した際にも機能やセキュリティが不十分であったりといった問題があったためだ。

 こういった課題を解決するため、入力フォーム、電子メール配信、チャットなど、企業と顧客をつなぐインターフェースを高品質、低価格で提供できるよう、おもてなしSuiteをリリースし、現在も研究、開発に取り組んでいる。