今回は、IT化を実際に行った、ある不動産会社の事例を元に、どのようにして導入し、成功した先の効果について解説する。

 不動産業界の営業手法は往々にして、「リストを元に営業電話をかける」「展示会などに参加して連絡先を収集する」「顧客からの紹介」「広告宣伝はチラシ配布やバス広告」などを行っている。リスト管理はせずに、営業それぞれが自分の顧客のリストとして持っている。また、名刺のみで顧客管理をしているところもある。

 今回紹介する不動産会社は、顧客獲得をさらに精度の高いものにできないかという視点からIT化が始まった。リストの上から順番に営業電話をかけるよりも、「マイホーム 建築 安全」「家 建てる 費用」のような、家を本気で探しているキーワード検索に着目。このようなキーワードでサイトに訪れてくれれば、顧客として獲得する可能性が高い見込み客ということになる。しかも、営業担当の精神的負荷も軽減される。

 また、Webサイト経由で獲得したリストは営業メンバー全員で共有し、誰が担当するかは自動的に振り分けられるようにした。営業リストには、いつどんな手段でアプローチして結果はどうなったのか、次にどういうことを実施したのか、次のアクションを行ったのか、ということを記録してノウハウをメンバーに共有。地道な営業に比べると、営業リストの数は減ったが、本気で購入を検討する顧客が多くなったので、結果的に営業工数は少なくなった。これまでの足で稼ぐ営業がなくなり、必要最小限の人員で行えるため、社員の配置転換も実施した。