鈴与シンワートは、社内システムやインターネットなどにセキュアなアクセスを行うためのソリューションとして「S-Portテレワーク・リモートPCサービス」を提供している。同社のデータセンター(DC)内に設置した物理PCにアクセスする仕組みで、リモートでもオフィスと同様の環境で業務を行うことができるほか、操作している端末からデータのコピーや保管を防げる。コストを抑え、中小企業でも導入しやすい価格を目指した。
S-Portテレワーク・リモートPCサービスは、「Soliton Secure Desktop」と呼ぶアプリケーションを利用し、DC内のPCが出力する画面を、自宅やオフィスにある操作側のPCに転送する。作業を行う手元のPCにはデータが残らず、データのコピーもできないため、情報漏洩などのリスク軽減が図れる。WindowsだけでなくMac OSにも対応する。現在はそれぞれ1バージョンずつの提供だが、今後、ニーズに合わせて種類を増やすことも検討している。サーバーを共用するVDIなどの仮想デスクトップサービスと異なり、他ユーザーの影響を受けない点も特徴となる。
河井宣之・事業部長(左)と坂本健太郎・副事業部長
PC10台から50台程度の中規模以下の企業の導入を想定。価格はVDIなどに比べて安くした。坂本健太郎・クラウドサービス事業本部・プラットフォーム・サービス事業部副事業部長は「テレワークという勤務形態はある程度定着したが、VDIやシンクライアントはかなりのコストがかかるため、大企業以外は導入が難しいという現状がある」と説明。河井宣之・同事業部長は「大規模な企業が導入している環境と同じようなものを、中小規模の企業でも導入できるメリットがある」と語った。
同サービスは2021年10月に「ベアメタルPCサービス」としてスタートし、22年10月から現行の名称で展開している。
(大向琴音)