創業してわずか半年、ITベンチャーのケリー・コンサルティングは、エイチ・アイ・エス(HIS)創業者の澤田秀雄氏が中心になって発足した起業家支援団体「日本企業家協議会」が主催するビジネスプランコンテストで、「経営支援賞」ベンチャー部門1位を獲得した。製品とビジネスプランが評価されてのことである。
設立したのは皆藤朗。日本語に特化した検索エンジンを開発・販売するほか、レコメンドエンジンも提供し、SEO・LPO対策サービスも手がける。総合提案でネットサービス業界に一石を投じようとしている。
皆藤は、実家が飲食店を経営していることから、もともと「起業意識が強かった」。商社からビジネスキャリアをスタートさせ、ネットベンチャーに転身して経営に携わった。その後、ITコーディネータ資格を取得して、経営コンサルティング業を営んだ時期もある。
見た目は多少強面で、発言も威勢がいい。そんな雰囲気とは裏腹に、その道のりは決して順風満帆ではなかった。ネットベンチャーでは、経営が悪化して、年上で働き盛りの従業員を解雇した苦い経験がある。過労で体調を崩し、数年間ビジネスに携われなかったこともある。
そんななかで、ケリー・コンサルティングの設立を決めるきっかけになった検索技術に出会う。その技術的優位性に魅せられて「起業を即決した」。
ウェブサイトを構築するための技術やツール、そして改善するためのコンサルティングサービスは、価格があってないようなもので、いわばベンダーの言い値。不適切な価格でビジネスを展開するベンダーも少なくない。その悪しき慣習を問題視し、「適正価格で提供する」ことを決意した。競合の類似製品・サービスのおよそ半額で主力ツール「eco(エコ)」を販売している。
紆余曲折を経てたどり着いた現在、「これまでで最も充実している」と話し、新たなスタートに胸を躍らせている。(文中敬称略)
プロフィール
皆藤 朗
(かいとう あきら)1997年、東海大学工学部経営工学科卒業。同年にDTP(デスクトップパブリッシング)関連製品に強い商社に入社し、ソリューション営業に従事する。その後、ネットベンチャーに転身して執行役員を務める。2010年、日本語に特化した検索エンジンとレコメンド(推薦)エンジンを基盤技術とするベンチャー、ケリー・コンサルティングを設立。代表取締役に就任した。